2019年06月19日

アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」感想

 とにかく構成が上手かった。

 まず第1話。いきなり意味不明の戦いから始まり、ほのぼのに移ってシリアスへ。

 物語の最初の部分はやらなければいけないことが沢山ある。
 登場人物の名前や、舞台となる場所の様子を知らせ、世界観をつかんでもらう。
 続きが気になるように、見ている側が解明を諦めない程度の謎を残す必要もある。

 そういう基本的なことを自然に行った上で、作品全体の雰囲気も伝えており、見事だと思った。
 最初からほのぼのだったら、ほのぼの好きな人以外は「だるいなー」と見るのをやめてしまうだろう。

 まどマギはずいぶん話題になった作品なので、同じ時間を繰り返すことは知っていた。
 しかし第12話で終わるのに第9話までは普通に時間が進んでゆき、
「あと3話しかないのにどうするんだ?」
 と思ったら、第10話に「繰り返してきた時間」がまとめられていて、そうやるのかー! と。

 オープニング映像で主人公のまどかは魔法少女の姿なのに、本編ではなかなか魔法少女にならない。
 これはオープニング詐欺では?! と思わせておいて、第10話でようやくその意味が分かる。
 時に閉じ込められる悲しみが凝縮した素晴らしい回だった。

 最後に完全な平和が訪れるわけではないけれども、
「ほむらちゃんが呪縛から救われた!
 大好きな人に自分の思いを理解してもらえた!」
 という喜びが大きかった。

 小説書きとして見ると、物語をどういう順番で見せていくのが最も効果的かを考えるのに、大変勉強になる作品でした。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 18:30| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

アニメ「宝石の国」感想

 最初、のんびり話が進むのかと思ったら、予想しなかった不思議な出来事が次々起こり、
「先が気になるー!」
 と最終話までだれずに面白く見られた。

 主人公たち「宝石」の敵である「月人」が怖い。
 三十三間堂の千体千手観音像をピカピカにしたようなのが空からやってくる。
 何を考えているのか全然わからない。

 月人に比べると「ゲゲゲの鬼太郎」のバックベアードは自分の目的を分かる言葉で説明してくれて親切だな。

 宝石たちの戦い方は美しく、かなり強いが、月人は数が多くて、出し抜けに奇想天外な攻撃をして来たりする。
 宝石たちはしばしば粉々になり(これは直せる)月人に連れ去られてしまうこともある(こうなると戻ってくるのはかなり難しい)

 宝石たちは明るく楽しく暮らしているけれど、仲間を失った記憶を痛みとして抱えている。
 宝石たちは鉱物としての特徴にちなんだ個性を持ち、男でも女でもない。
 物語を愛する人たちの心の中にいる「少年・少女」の概念を結晶化させたような存在。
 それぞれの純粋な思いが交錯する様子が、萩尾望都「トーマの心臓」のようだ。

 どの子もけなげで愛おしい。
 イエローダイヤモンドお兄様は格好良く、双晶アメシストは優しく、ダイヤモンドは可愛らしい。
 ダイヤモンドが自分をボロボロにして戦うシーンは切なかった。

 それにしてもアニメって戦う話が多いね。
 アニメの絵と動きが戦闘シーンを描くのに向いているのだろうか。
 小説に向いているものは何だろう……

 えっ、ここで?! ここから始まりでしょ! という終わり方だったので(原作はまだ連載中)
 続きもアニメ化されると良いな♪
 
posted by 柳屋文芸堂 at 10:16| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

2019年06月14日

「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」感想

 ちひろ美術館・東京で開催中の、
「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」
 に行ってきました。

 ショーン・タンは、言葉が一切書かれていないのに登場人物たちの感情がひしひしと伝わってくる稀有な作品「アライバル」などで知られる絵本作家です。

アライバル
アライバル

 美しい原画にも感激しましたが、作品制作の舞台裏に触れられたのが嬉しかった。
 幻想的な世界観や、その表現であるイラストも、現実世界の注意深い観察から生まれる、ということで、旅先の風景を描いた絵画が数多く展示されていた。

 私はいつもぼんやりしていて、何事もしっかり見ていないという自覚がある。
 ものを見る訓練のために、写生や写真撮影をしてみようかな……

 「アライバル」の漫画のような画面構成は、レイモンド・ブリッグズの「スノーマン」を参考にしたそう。
 ブリッグズは「風が吹くとき」が深く心に残っているので、こちらも読んでみたいな。

 ショーン・タンにも描けなくなる時があるという。
 そこから抜け出すために、鉛筆の気の向くまま、ただ手を動かす。
 頭の中で先に考えておくのではなく、描いているうちに考えが生まれたりまとまったりする。
 私も文章に詰まったら、自分の手を信頼して、とにかく何か書いてみよう。

 ショーン・タンが原作と監督を務めた短編映画「ロスト・シング」も見ることが出来た(会場内で上映している)
 YouTubeに紹介動画があったので貼っておく。


↑45秒日本語付き


↑1分15秒

 心に余裕を持ち、古いもの、忘れ去られたものを大切にすることが、豊かな創造につながる。
 そんなメッセージを私は受け取った。

 ショーン・タン本人のインタビュー映像を見て(これも会場内で流している)
 国は違えど同世代の(私と2歳しか違わない)「生きている」作家であることを実感した。

 才能の大きさが全然違うけれども、私も頑張って自分の描きたいものを描くよ! と前向きな気持ちに。

 グッズ売り場では大好きなエリックの絵はがきが沢山あり、
「ひどい! 嬉しいけどひどい!」
 と騒ぎながら見事に散財した……



 可愛すぎる。私の好みど真ん中すぎるよエリック……

遠い町から来た話
遠い町から来た話
↑こちらの本の中にエリックはいます。

 会期は7月28日(日)まで。
 ショーン・タンのファンはもちろん、絵や小説など何か創作している人に見てもらいたくなる展示でした。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 18:50| 美術 | 更新情報をチェックする

2019年06月11日

「東京の梅雨、熊本の梅雨」メイキング



メイキング、お好きな方がいるようなので、ちょこっと書いてみます。

コンビニのネットプリントを使った創作企画、第2回ペーパーウェルで、きぃちょんさんが配信してくださった紫陽花柄の原稿用紙が、期待以上に美しかった!

この原稿用紙に合う文章を書いてみたくなる。

紫陽花か梅雨の話…… 出来ればきぃちょんさんが喜んでくれるような…… きぃちょんさんは熊本の方……

自作BL「翼交わして濡るる夜は」の登場人物で、熊本出身の翼の話にしよう。会話の相手は恋人の司。東京にしか住んだことがない。

村上春樹「ラオスにいったい何があるというんですか?」の中に「熊本の梅雨は長くてきついよ」というセリフがあったな。東京とそんなに違うのだろうか?

東京と熊本の6月の降水量をGoogle検索。東京が167.7mm、熊本が404.9mmで、確かに全然違う。

「熊本の梅雨」でツイッター検索。熊本の梅雨は雨が強く降り、蒸し暑いらしいことが分かった(私は熊本に旅行で行ったことはあるものの、2月だったので熊本の梅雨は体験していない)

降水量と気温以外で、熊本と東京の梅雨に違いはあるだろうか。熊本は江津湖の芭蕉が印象的だった。東京では見たことのない風景。2月には枯れていたけれど、梅雨の頃はどうなっているのか。

「6月 江津湖 芭蕉」でGoogle検索したところ、ホタルの情報が出てきた。梅雨の少し前が見頃らしい。よし、これも書こう。

iPhoneに入れてあるテキストエディタ「iText Pad」のレイアウトを「原稿用紙タテ20」に設定し、本文を書き始める。翼と司の性格を踏まえつつ、20マス×20マスに綺麗に収まることを優先して言葉や漢字を選んだ。

本文を書き終えたら「表現したかったこと」と「書いた文章から受け取れること」に差がないかチェック。例えば最初、
「親に挨拶しなくて良いから!」
と書いていて、
「別に挨拶くらいしたって良いよな。司は結婚の挨拶みたいなことをする勇気がないんだ」
と思い、挨拶の前に「そんな」を入れた。

タイトルは本文を書き終えた後、いくつか候補を出し、内容そのままのシンプルなものを選んだ。

賀茂なす万年筆で原稿用紙に書き写す。インクをこすらないよう左の行から。

カラー印刷したコピー用紙、インクを弾いたりすることもなく書きやすかった。賀茂なすインクの上品な紫が紫陽花柄に合ってニヤニヤ。

自分の持っているカメラ(古いiPhoneと、さらに古い広角単焦点デジカメ)で手書き文字を上手く撮影出来ず困っている。暗くなったり明暗差が出来たり文字の一部がピンぼけになったり。天気の良い日に窓辺で絞りを絞って少し離れた場所から撮ればマシになるかなー 晴れるまで待てなくて難あり画像でごめんなさい。

こんなところかな。本文もメイキングも楽しく書けました♪
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:00| ショートストーリー | 更新情報をチェックする

2019年06月05日

アニメ「ゴールデンカムイ」感想

 dアニメストアで「ゴールデンカムイ」第1期・第2期(第24話まで)見ました。

 テレビで放送していた頃、
「人がばんばん死ぬけど、ほのぼのグルメ漫画」
「女ではなく男が脱ぐ」
 というような感想ツイートを見て「?」と思っていましたが、こういうことだったのか〜 と。

 こんなに男色度の高い作品とは思っていませんでした。
 ラッコ鍋回(第20話)に温泉回(第21話)それ以外にも色々と。
 私は大好きですが皆さん大丈夫なんですか……?(とTwitterで検索してみたら楽しんでいるようで何よりです)

 杉元は優しく、アシリパさんは美しく、白石は可愛く、みんな愛おしい。
 谷垣、尾形、キロランケも、それぞれ異なる色気があって良いですね。

 原作も読んでみたいけど、漫画は置く場所がなぁ〜
 物語はまだ完結していないので、最後までしっかりアニメ化されますように。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 13:02| 映画・映像 | 更新情報をチェックする