2010年01月31日

伯母(小)エピソード

 伯母(小)のエピソードを思い出したから書いておこう。

 伯母(小)はその名の通り(?)ものすごく小さい。
 もともと背が低かったのが、年を取ってぐんぐん縮んで、さらに腰が曲がり、漫画に出てくるおばあさんみたいに小さくなってしまった。
 具体的に言うと、「めぞん一刻」に出てくる五代くんのおばあさんくらい。
 あれがリアルな描写だなんて、伯母(小)が小さくなるまで知らなかったよ。

 実家へ戻ったある日のこと。
 伯母(小)がその小さな体をさらに小さく丸め、玄関先でうずくまっている。
 近付いていくと、こちらを振り向いて、きっぱり言った。

「滅びちゃった」
「は?」

 「おかえり」も「いらっしゃい」も無しに、いきなりこのセリフ。
 このあたりに滅びるような「帝国」でもあったかしらと、思わずキョロキョロしてしまった。
 伯母(小)は、
「滅びちゃった」
 と何度もつぶやきながら、植木鉢をつんつん突ついている。 

 それは…… 「枯れちゃった」の方が適切な表現なのでは?

 視線の先にあるのは、生気を失った植物。
 伯母(小)は恨めしそうな、少し寂しそうな顔で、植木鉢を突つき続ける。

「あんなに小さく丸まっていたら、ゴミ袋と間違えられて、近所の車に轢かれてしまうんじゃないか」
 と母は心配しています。
posted by 柳屋文芸堂 at 22:58| 家族 | 更新情報をチェックする

2010年01月30日

SNAPS

 リコーのデジカメで撮影した写真展「SNAPS」を見てきました。

 浅田政志(写真家)
 こぐれひでこ(イラストレーター)
 今日マチ子(漫画家)
 前川貴行(写真家)
 基敦(写真家)
 Oliver Richon(写真家?)
 パンツェッタ・ジローラモ(タレント)
 Shelton Muller(写真家?)
 新條まゆ(漫画家)
 菅原一剛(写真家)
 Surfrider(?)
 田沼武能(写真家)

 の写真が気に入りました。
(ほとんど自分の覚え書きですね)

 ジローラモさんは写真というより本人が好きなだけかも。
 ああいう素敵なナポリ男に、歯の浮くようなお世辞を言ってもらいたいものです。
 今日マチ子さんは漫画の雰囲気そのままの写真で笑ってしまった。
 
 一番気に入ったのはOliver Richonさんの写真だったのですが……
 この人、誰???
 ネットで調べても、外国語の情報しか出てこない〜

 現代美術みたいな画面作りが面白かった。
 個展があれば行ってみたいです。

 銀座のRING CUBEにて、1/31まで。
 ギリギリの紹介ですみません。

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posted by 柳屋文芸堂 at 01:58| 美術 | 更新情報をチェックする

2010年01月29日

忘れた頃にやって来る

 ようやく今日、年賀状の返事を出し終えた。
 遅過ぎ。
 でも寒中見舞いとしてはギリギリセーフ。

 他にも返信出来てない手紙がいっぱい溜まってます。
「やって来た言葉に対して言葉を返す」
 というのはなかなかエネルギーの要る作業なので、少しずつしか進められません。

 お許しを……
 と、ここで書いて許されるのか分からないけど、お許しを。
posted by 柳屋文芸堂 at 01:13| 季節 | 更新情報をチェックする

2010年01月28日

実家へ

 下の記事の話を伯母(大)にしようと思って電話をかけたら、母が腰を痛めているとのこと。
「来なくて良い!」
 と言われたけど、ちょうど三味線のお稽古がお休みになったので、米とおかずを抱えて実家へ行って来ました。

 まともに歩ける人が一人もいないって……
 どうやって生活しているんだ?
 着くまでかなり心配しましたが、どうにか買い物には行けるようです。

 叔父や伯母×2のことで疲れが出た様子。
 私は非常に気の利かない娘なので、
「手伝うのが下手でごめんね、ごめんね」
 という感じ。

 まあ、そういう風に育てちゃったのは母だがな!

 三人とも体はヨレヨレだけど、おしゃべりは相変わらず面白くて、楽しかった。
 伯母(小)が病院で、
「消化器科に行ってください」
 と言われて、消火器を探してしまった話とか。
「きっとその診察室は、巨大な消火器が目印なんだな」
 と思い込んだらしい。

 伯母(小)は、ただただ真面目なだけの人なのですが、真面目が極まって、たまにシュールです。
「私はね、なるべく長く息をしているつもりなんだよ。そうすれば、息しているだけ年金がもらえるからね……」
 と真剣に言っていたらしい。
 自分の寿命は自分の意志でどうにか出来るものと思っているようです。

 伯母(大)は伯母(小)よりユーモアがあります。
 私に落語の面白さを教えたのはこの人。
 元気な頃は、歌舞伎の物真似とかもしてくれました。
 夢の話をしたら喜んでくれて、嬉しかった。
 
 年寄りというのは体を壊しやすく、いつもいつも気がかりな存在ですが、やっぱり宝だよな〜 と思うのです。
 なるべく幸せに暮らせるようにしてあげたいと思っても、何をしたら良いのかよく分からない。
 何しろこの三人が世話を焼き過ぎて、ボーッとした人間になってしまったもので。

 責めるべきか、あやまるべきか。
posted by 柳屋文芸堂 at 23:23| 家族 | 更新情報をチェックする

2010年01月27日

伯母と旅へ

 伯母(大・84歳・全盲)と旅行する夢を見た。
 伯母はこの数年ほとんど寝たきりで、寝床と食卓の間くらいしか移動しない。
 バスに乗っているのは元気な頃の伯母ではなく、今現在のヨボヨボの伯母だ。

 私は不思議に思って尋ねた。
「何で旅に出ることになったんだっけ?」
「ほら、ずいぶん前に記者会見もしたじゃないか。こういう事をしますって」
 ああ、そういえばやったな、記者会見。
 あるはずもない記憶をたどって納得する。

 椅子に座った伯母が倒れないよう、立ったまま支えなければいけないので、なかなか大変だ。

 旅はいきなり帰り道。
 夕食のためにバスが停まった。
 日没後のかすかな光が、周囲に満ちている。

 私たちはどうやら東北にいるらしい。
「秋田とか、他に良い場所がいっぱいあるのに、何でここなんだ」
 他のお客は文句を言いながら降りてゆく。
 確かに田んぼが地平線まで広がるだけの、何もない村だ。

 伯母を椅子から動かせないので、私たちはバスに残った。
 窓の外を眺めていると、花や草や木の輪郭が、くっきりと白く浮き上がっているのを見つけた。
 山の向こうからライトアップしているのだろうか。
 とても美しい。

 伯母に様子を説明しながら見とれていると、獅子の格好をした歌舞伎役者が、花を隠すようにバーン! と現れた。
 派手な隈取りをして、真っ白な長い髪を振り回している。

 反対側には赤い獅子がいる。
 どうやら白獅子と赤獅子が戦う劇らしい。
 歌舞伎よりはサーカスに近く、獅子は人間業とは思えぬほど高く飛んだり、空中ブランコで自由自在に動き回ったりする。

 いつの間にかバスの周りは見物人でいっぱいになっていて、獅子が何かするたびに歓声が上がる。
 私はそのたび起きたことを説明した。
 伯母は微笑みながらそれを聞いている。

 夢から覚めたら、伯母に会いたくて仕方なくなった。
posted by 柳屋文芸堂 at 22:34| 夢(寝ながら見る方) | 更新情報をチェックする

2010年01月26日

酒だ! 酒もってこい!

 このところ、やたらに日本酒を買っている気がする。
 何本あってもすぐ無くなる。
 もちろん、全部飲んでいる訳ではありません。

 鍋、スープ、煮物と、冬は日本酒を使う料理をよく作る。
 いわしの梅煮なんて1カップも入れるもんね。贅沢。
 ぶり大根も美味しい。

 鍋やスープにドボドボドボッとお酒を大量に入れる瞬間も幸せ♪
 アルコールを飛ばして味見をすると、入れる前と味がガラッと変わったのが分かる。
 驚くほどうまみが増す。

 気に入っていた料理専門酒を近所のスーパーが扱ってくれなくなってしまって(最近こういう事が多い)飲む用の安いやつを買っていたのですが、
「うーん、不味い!!」
 と言いながらDちゃんが飲み始めたりするので油断ならない。
 無理して飲む必要全くないよ。
 青汁じゃないんだから。

 仕方がないので飲んでも美味しいやつを買ったら、
「これを料理用に使うなんてもったいない!」
 と言われる。
 確かにね。高いしね。

 それで結局、飲む用と料理用で、日本酒が何本もゴロゴロしてます。
 
 この一年くらいで二人の飲酒量が確実に増えている。
 前はたまーにワインを飲むくらいだったのが、日本酒覚えて、ビールにハマって。
 体にも家計にもあんまり良くないなー
 でも、美味しい料理に美味しいお酒って最高!! なのも事実。

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 これは先月作った肉じゃが。
 真っ赤な金時にんじんを使っています。
 茶色い中に赤が映えて綺麗だった。
 お酒とみりんで深い味わい。

 日本の発酵文化に感謝。
 
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posted by 柳屋文芸堂 at 22:38| 料理・食べ物 | 更新情報をチェックする

2010年01月25日

布ナプキン

 近所のスーパーが、今まで使っていた生理用ナプキンを扱ってくれなくなってしまった。
 困ったなぁと思いつつ、別のメーカーのを買ったら……
 案の定、合わない。
 かぶれる訳じゃないんだけど、ヒヤッとするというか、何となく不愉快な気持ちになる。

 それで最近は、布ナプキンを使う回数が増えている。
 ご存知ですか、生理用布ナプキン。
 使い捨てではなくて、洗って繰り返し使用します。

 少ない時用に何枚か持っているのだけど、この機会に全面的に切り替えちゃおうかなぁ。
 
 メイド・イン・アースというメーカーのもので、柄が可愛くて気に入ってます→紹介ページ
 ちょっとモコモコしますが。

 外出時のことと、洗濯がちょっと心配。
 でもヒヤッに比べればなんてこと無い。
 たぶん……
posted by 柳屋文芸堂 at 23:59| 健康・美容 | 更新情報をチェックする

2010年01月24日

貨物列車

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 貨物列車が好きで、見かけるとつい撮影してしまいます。
 動物と一緒で、逃げられちゃうことも多いですが。

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 これは停っているところを撮りました。 
 妙にノスタルジックな色だ。

 ピィーッとかすれた警笛を、遠くに聞くのも切なくて良い。

 貨物列車がすごいスピードで駅を通過している時、飛び乗ってしまいたくなりませんか?
 私だけ?
 我慢するのが大変です。

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posted by 柳屋文芸堂 at 22:09| 写真遊び | 更新情報をチェックする

2010年01月23日

犬、猫など

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 友達と一緒に、高円寺の猫雑貨の店「猫の額」へ行って来ました。
 その帰りに出会った犬。
 写真機を出したらこっちを向いてくれなくなっちゃった……

 猫の店の話なのに犬? と申し訳なくなったので、家の近所で撮影した猫の写真を貼り付けておきます。

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 動物は大好きですが、撮るのは苦手です。
 写真機を構えたらすでに逃げた後、というのがほとんど。
 トロいんだよなぁ……

 これは実家のトカゲ(飼ってない)

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 やっぱり花は良い。逃げないからな。

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 何が書きたいのか分からなくなってきた。

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posted by 柳屋文芸堂 at 22:40| 写真遊び | 更新情報をチェックする

2010年01月22日

スティーヴン・W・ホーキング「ホーキング、宇宙を語る」

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 大学の物理学科を出れば、宇宙の始まりを完璧に知ることが出来ると信じていた。
 卒業までに数百万円払うのである。
 それくらい当然だろう。

 大学4年の時に、宇宙物理学の授業を取った。
 先生は黒板に数式をずらずらと
 ずらずらと
 ずらずらと
 ずらずらと……

 どうやら宇宙について教えてくれていた、よう、です、よ?
 授業料分の約束は果たした訳だ。
 全っ然、理解出来ませんでしたが。

 学校側は、生徒の頭が悪かった場合のことは考えていなかったらしい。
 当然、当然ですとも。
  
 宇宙物理学は必修科目ではなかったので、私は物理学科を無事卒業した。
 卒業研究は宇宙と関係ない「生物の進化と微分方程式」
 その後、理系の仕事には就かず、現在は専業主婦として、ご飯を炊いたりパンを焼いたりしている。

 そうだ、宇宙のことを思い出したのは、パンを焼いたからかもしれない。
 膨張宇宙論といえば、レーズンの入った蒸しパンだもの。
 レーズンが銀河、パンが宇宙です。

 「宇宙の始まり」は私にとって、十年以上前から放置している宿題みたいなものだ。
 別にやらなくたって誰も叱らない。
 私はもう大人だから。

 でも怒る人間が、自分の心の中にいる。
 高校生の私。
 世界について知りたくて仕方なかった私。

 ホーキングさんは私の期待に、ある程度応えてくれた。
 宇宙の始まりについての研究を、数式ではなく言葉で説明している。

 しかしやはり、物理の理論は数式を使わないと曖昧になってしまう。
 だからと言って数式ばかりの教科書や授業はちんぷんかんぷん。
 本来なら、両方一緒にやるべきなのだろう。

 数学から遠く離れてしまった私に出来るのは、一般向けに書かれた本を丁寧に読むことくらい。
 宇宙の始まりを「完璧に」知るのは、もう無理そうだ。
 それでも宇宙の果てに思いを馳せることだけは、主婦にだって許されている。

 量子力学や相対性理論の基礎をある程度理解していれば、大変分かりやすい本です。
 明晰な文章。豊富なたとえ話。ユーモア。

 SFに言及する部分がけっこうあって、
「出版元の早川に気を遣ったのか?」
 とか変なことを思いましたが(翻訳だから早川関係ないよ)ホーキングさんはもともとSF好きなようです。

 がちがちの科学馬鹿ではなく、ちゃんとシャレの分かる人ですよ。
 ステキ。

 Amazonの書評を読むと、難しく感じた人も多いみたいです。
 数式は一個(E=mc2)しか出て来ないんだけどね。
 物理学の概念は普通に利用するので。

 理系科目は苦手、という人には、佐藤勝彦「眠れなくなる宇宙のはなし」の方をおすすめします。

 私は宇宙物理学の内容以上に、ホーキングの文章自体にキュンキュンでした。
 たとえば21歳で筋萎縮性側索硬化症と診断された時の、こんな記述。

「あと一、二年しか生きられないと私は告げられた。そんな状況では博士論文のために研究してもしかたがないと思った----それまで生きていられるとは期待していなかったからだ。しかし、二年間がすぎても、私の病状はそんなに悪化していなかった。それどころか事態はむしろいい方に向かっており、私はすばらしい女性、ジェーン・ワイルドと婚約したのである。だが結婚するには職がいる。職を得るために、私は博士号を必要とした」

 このクールさ!!
 病を知った若きホーキングは、悲しみで心がグチャグチャになったはずだ。
 その激情をあえて書かないことで、苦しみや希望が浮かび上がる。

 ファインマンの、奥さんを亡くした時の随筆も好きだったなぁ。
 「冷静」は美しく痛々しい。
 理系文章バンザイ!!

 そのホーキングさん、現在、68歳でご健在です。
 Wikipediaによると、今年、宇宙へ渡航予定だそうですよ?!
 語るだけでなく行っちゃうの?? マジかい!

 とにかくお元気そうで何より。

 「宇宙の始まりを完璧に知る」ために、他の宇宙の本も少しずつ読んでいきたいです。
 どれだけ頑張っても、真理に近付くことは出来ないだろう。
 (科学が悪いんじゃない。私の頭が悪いんじゃ)
 それでも目指す。

 物理は−科学は−人間は−私は−そういう無謀な存在なのだ。
posted by 柳屋文芸堂 at 11:11| 読書 | 更新情報をチェックする