2014年03月02日

Googleの「ブログ検索」

 Googleで「ブログ検索」が出来なくなって困っている。
 本を読んだり、美術展を見たりした後、
「他の人はどんな感想を書いているかな〜?」
 と検索するのが楽しみだったのに。

 ブログ利用者、減っているんでしょうね。
 私もTwitterを見ることの方が多いし。
 でも、感想はTwitterだと物足りなくて、ある程度まとまった量の文章が欲しいんだ。
 プロではない、一般の人の意見が知りたい時、ブログは今でも一番便利だと思う。

 Google様、ブログ検索を復活させてください!!
posted by 柳屋文芸堂 at 21:51| ネット | 更新情報をチェックする

歌川たいじ「母の形見は借金地獄」感想

 今日の昼間に届き、夢中になって読んで、ついさっき読了!
 いや〜 面白かった!!

 多額の借金を残したまま、謎の死を遂げたお母さん。
 もし自殺だとしたら保険金が下りず、借金が返せない。
 死因をめぐって保険会社と裁判で争うことに……
 という内容。

 舞台になっているのはバブル崩壊の少し後(現在より少し前)
 不景気が続いたためにバブル期を夢の時代のように語る人が多いですが、少女だった私は得体の知れない恐怖を感じていた。
 
 地道に働くより、土地を売買したり株に投資したりした方がバンバン儲けが出た。
 みんなお金に対する感覚が狂っていった。
 人間に対する感覚も狂っていった。
 人間としてのまともな感覚を失った末に、訳の分からない暗い谷底に多くの人が落ちていった。

 お金って何なんだろう、という疑問がずっと消えないのは、思春期にそういうニュースを沢山見聞きしたせいかもしれない。
 300円出してニラと豚を買ってニラ豚を作る、というような日常のお金とは違う、「経済」や「金融」のお金は、人間の意志と無関係に膨らんだり縮んだりして、人を大金持ちにしたり借金地獄に落としたりする。

 主人公も最初はそういう世界に振り回されるが、
「自分が一番大切なもの」
 を決して見失わない。
 周囲の人たちの優しい心を受け取り、お母さんの気持ちや、自分の本当の願いをつかんでゆく。

 ドロドロした世知辛いストーリーに、幻想的な描写が溶け込んでいるのが美しかった。
 ゾンビに見える債権者。
 布をかぶった自殺者たちのゴースト。
 それらがとても自然で、物語の奥ゆきを作り出している。
 おそらく、本当に見えていたのだろう。

 夏の日の、蝉の声が急に遠くなって、時が止まってしまったような。
 そんな静けさが底に流れている。
posted by 柳屋文芸堂 at 01:01| 読書 | 更新情報をチェックする

2014年03月01日

映画「ドストエフスキーと愛に生きる」感想

 ウクライナ出身の翻訳家、スヴェトラーナ・ガイヤーの人生と日常を追ったドキュメンタリー。
 撮影当時、スヴェトラーナは84歳。
 予告編を見た時、曲がった背中と、てきぱきした働き者の体が印象的で、
「どうしても劇場に行かねば!」
 と思ったのでした。



 ニュースでも大きく取り上げられていますが、ウクライナというのはなかなか大変な国ですね。
 彼女が10代の頃は東にスターリン、西にヒットラーという最悪の政治状況。
 お父さんはスターリンの粛清に遭い、奇跡的に釈放されたものの、獄中で受けた暴力が原因で亡くなってしまう。

 そこで何が行われたのか、お父さんはスヴェトラーナに話して聞かせた。
 その時のことを、触れていた布の感触まではっきり覚えている。
 にもかかわらず、具体的な話の内容は完全に記憶から消えているという。

 忘れたというより、真っ黒く塗りつぶされたような。
 現在と記憶を結ぶ糸を意識的に切ったような。
 語ることの不可能な語り、が恐ろしかった。

 と、これだけ書くと暗い話のようですが、美しく楽しい場面も多くありました。
 スヴェトラーナは料理やアイロンがけなどの家事を一つ一つ丁寧に行う。
 そしてその手仕事から得た哲学が、翻訳の仕事と結びついているのです。
 炒められる玉ねぎ。細かく編まれたレース。
 ささやかな日常の映像が少しも退屈ではなく、贅沢に感じる。

 友人に手伝ってもらいながら翻訳をする時には、思いのほか強情な素振りを見せて、劇場は何度も笑いに包まれた。
 若い学生たちを前にした講義も、ユーモアたっぷり。
 彼女が語った言葉の一つを引用します(パンフレットに載っていた)
 
 きっと貴方たちも、
 人生の中で
 いつか言葉を話しかける
 魚に出会うはず。
 その言葉は、必ず理解できます。
 自然や科学の法則は
 関係ありません。
 だから勇気を出して、
 内なる声に従うこと
 たとえそれが、
 世の中を支配している
 多くの者たちの声に
 逆らうことになったとしても


 どうして行く先々で色々な人が私を励ましてくれるのだろう、と泣きそうになりました。
 彼女は言葉に励まされて生きてきたから、時間的にも空間的にも遠くにいる私まで、力強く励ますことが出来るのだ。

 公式サイトはこちら
 劇場情報はこちら
 私はシネマート六本木で見ましたが、上映回数は渋谷アップリンクの方が多いようです。
posted by 柳屋文芸堂 at 04:00| 映画・映像 | 更新情報をチェックする