2015年01月04日

BLにおける「関係性」

 BLについての文章によく出てくる「関係性」というのが、何度説明を受けても理解出来なくて困っていたのだけど、ネットで見つけた、

 BL研究「属性が生みだした闇」

 という記事を読んでようやく少し理解出来た。
 「関係性」が理解出来た、というより、「関係性」を理解出来ない理由が理解出来た。

 私は人間関係を属性と属性のかけ合わせで考えることが出来ないのだ。
 たとえA君がツンデレでB君がサディストだったとしても、
 唯一無二のA君と唯一無二のB君の関係
 しか考えられない。

 ツンデレのC君とサディストのD君というもう一組のカップルがいたとして、
 A君とB君の関係 と C君とD君の関係
 は全く違うものになる。
 A君とB君とC君とD君はそれぞれ固有の性格や外見や人生経験を持っているはずだから。

 しかし関係性について語る人々は、A・B、C・D両方の関係を「ツンデレとサディスト」という属性と属性のかけ合わせで説明し始める。
 そんな風に人間の一部分を抽出することに何の意味があるのか、分からなかったのだ。

 その方が書きやすく、買いやすく(選びやすく)、読みやすい、のか……

 私は「人間と人間の関係」に強い興味を持っているので、もしかしたら「関係性に萌えている」という状態に当てはまるのかもしれない。
 しかしそれを属性で説明された途端、違和感を感じ始める。

 私は人間や人間関係を単純化して考えたくない。
 底知れないものを、底知れないものとして、そのまま受け入れたいのだ。
posted by 柳屋文芸堂 at 23:25| 言葉 | 更新情報をチェックする

2015年01月03日

ラヴクラフト講演会

 ラヴクラフトが近所の公園で講演会をするという。
 特設会場にはパイプ椅子が並べられ、大勢の人が集まっている。
 町内会のおじさんが運動会の時などに使う白いテントの下で受付をしている。

「本当にラヴクラフトが来るんですよ!」
 おじさんは目を輝かせ、興奮した声で言う。

 ラヴクラフトはアメリカの怪奇小説家だ。
 直接話を聞けるなんて信じられない。
 Dちゃんと一緒に椅子に座って講演が始まるのを待った。

 やって来たラヴクラフトは、日本人の女性だった。
 ラヴクラフトの関係者かと思ったらそうではなく、ラヴクラフトを名乗っている。
 贋ラヴクラフトだ。

 たとえニセモノでも何か面白い話が聞けるなら良いやと思ったが、ありきたりで薄っぺらいことばかり言っている。
 こんな人のためにDちゃんを連れてきてしまったことを激しく後悔した。

 講演の後、贋ラヴクラフトの女性は会場を回り、1人100円ずつ徴収している。
 私の所にも来たので40円渡すと、贋ラヴクラフトは不満そうに私を見たが、
「40円分の満足感しか得られなかったので」
 とキツく言うと、納得して去っていった。
posted by 柳屋文芸堂 at 23:35| 夢(寝ながら見る方) | 更新情報をチェックする

嫌いなものの話ばかりする人

 嫌いなものの話ばかりする人、というのがいる。
 嫌いなものではなく好きなものの話をした方が楽しいのになぁ、と思うけれど、おそらく「嫌いなもの」には「引力(惹きつける力)」があるのだろう。
 嫌いなもののことばかり考えてしまうのをやめるためには、「好きなもの」を沢山見つけ、その引力に引っぱってもらって、嫌いなものから自分を引き離す必要があるのではないだろうか。
posted by 柳屋文芸堂 at 00:34| 考え | 更新情報をチェックする

2015年01月02日

カレー風味のお雑煮

 我が家のお雑煮は関東風のすまし汁だ。
 しかし大晦日の買い物で小松菜を買い損ねてしまった(売り切れ)
 だいこん・海老芋・にんじん・鶏肉でお雑煮にするなら味噌味の方が良いかなー とDちゃんに相談すると、
「カレー味にしたら?」

 急遽、材料を玉ねぎ・海老芋・にんじん・鶏肉に変更。
 ごま油で炒めた後、カレー粉をかけてさらに炒め、昆布のダシで煮る。
 先日作った天つゆと塩で味付け。

 おもちに合う味に仕上げられ、Dちゃんが褒めてくれた。
 海老芋もとろんとして美味しかった。

 カレー風味のお雑煮で正月を迎えるなんて初めてだよ。
 小松菜のお雑煮はまた別の日にやろう。
posted by 柳屋文芸堂 at 00:04| 料理・食べ物 | 更新情報をチェックする

2015年01月01日

「ハーブ&ドロシー」感想

 あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いします。

 さて私は「ハーブ&ドロシー」という映画を見ながら年越ししました。
 おじいちゃんとおばあちゃんと現代美術、と私の好きなものだけで出来ているドキュメンタリー。

 ハーブとドロシーはニューヨーク在住の老夫婦。
 つましい暮らしをしながら無名芸術家の作品を買い集めている。
 気がつけばコレクションは4000点を超え、芸術家たちも有名になっていた。

 売ってしまえば大金持ちになれるのに、彼らは決して作品を手放さない。
 家の大きさは1LDK。
 部屋はとうとうぎゅむぎゅむになり……

 芸術家たちは彼らに破格の安い値段で作品を売ることもあったそう。
 たとえばクリストとジャンヌ=クロードは、猫を預かってもらうことを条件に無料でドローイングを渡したとか。
 映像を見ていて、彼らが特別扱いされる理由がよく分かった。

 芸術家というのは「今ある言語」「今ある表現」では思いを伝え切れない人々、だと思うのです。
 自分の気持ちに最もしっくりくる伝達手段が欲しくて、新しい表現を作ってしまう。
 しかし新しい表現というのはなかなか理解されない。

 今ある表現を使えば、理解してくれる人は増える。
 それは人々に馴染みがあって、分かりやすいから。
 でもそうやって伝えたものは、本当に伝えたかったものとは微妙にずれている。

 今ある表現と新しい表現、どちらを使っても正確に気持ちを理解してもらうのは難しい。
 他者との間に壁を感じ、孤独に耐え切れず自ら命を絶つ芸術家も多くいる。

 ハーブとドロシーは、芸術家たちが何かを伝えるために作り出した「新しい表現」をしっかり見つめ、理解しようと努めてくれるのです。
 「新しい表現」というのは「新しい言語」のようなもので、すぐにパパっと意味が分かるものじゃない。
 普通だったら「意味不明のことを言っている」と判断して、無視するのが当然のところ。

 時間をかけて、労力を惜しまずに、本当に伝えたかったものを受け取ろうとしてくれる。
 孤独な壁のこちら側に手を伸ばしてくれる。
 そんな貴重な人たちに対して、お金がどうこうなんて、馬鹿げているよね。

 部屋が狭いために起こった出来事が可笑しかった。
 ベッドの下に作品を詰めていったため、ベッドの位置がだんだん上がっていったとか。
 作品を搬出してみたら引っ越し用のトラックで5台分あったとか。

 ハーブとドロシーの話が中心ですが、現代美術も色々見られて面白い。
 二人のラブストーリーに感動してDちゃんと盛り上がりたい! と思っていたのに、Dちゃんは取り上げられた作品の方に興味がいったようです。
 まあそのままでもラブラブだから良いんだけど。
 私も美術について暑苦しく語っちゃったしね……

 今年も素晴らしい芸術に沢山出会えますように。
 ハーブ&ドロシー、続編もあるそうなのでそっちも見たいな。
posted by 柳屋文芸堂 at 01:57| 映画・映像 | 更新情報をチェックする