2015年03月21日

素晴らしくても完璧ではない

 宗教の教えというのは、長く人々の心の支えになってきたものなのだから、きっと素晴らしい点が沢山あるのだと思う。
 けれども「素晴らしい」=「完璧」ではない。
 全ての人間を幸福に出来るわけではない、下手したら一部の人を不幸にしてしまう教えだって、混ざっていることもあるのではなかろうか。

 神様が関わる物事は「素晴らしい」では済まされず、「完璧」であるという前提で進んでゆく。
 不完全な教えではなく、不幸になった人間の方が踏みつぶされ、もみ消される。
 このあたりの恐ろしさを、宗教関係者の人たちはどう考えているのだろう。

 神様が完璧である必要なんてないと思うのだけど。
 時々状況に合わせて修正が入ったって構わない、というかそういう修正を許す懐の深さがあった方が、神様らしいと感じる。

 宗教以外でも、人間は何かと完璧を求める。
 例えば「愛」 愛には確かに大きな力がある。
 例えば「金」 金には確かに大きな力がある。

 でも愛も金も、全てを解決出来るわけじゃない。
 それぞれ得意な分野・不得意な分野がある。
 それなのに、そんなことお構いなしに愛に走ったり金に走ったりする人たちがいる。

「完璧な何かがあって、それが自分を救ってくれる」
 という考え方はよほど魅惑的なのだろう。
 何だかハサミだけを使ってボタン付けをするような感じだ。
 目的ごとに、ハサミや針や糸をうまく組み合わせて使ったって良いだろうに。

 人間は完璧な何かを求めることで、人間の小賢しさから逃げ出したいのかもしれない。
 素晴らしくても完璧ではないこの世界から。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 22:32| 考え | 更新情報をチェックする

一人称の話

 小説を書いている時に一番楽な一人称は「僕」です。
 38歳でボクっ娘はイタいな……
 「ボク」はともかく、もう「娘」じゃない。
 僕おばさん。

 男性作家が書く「僕」の小説(村上春樹とか)をよく読むせいかな?
 はっきりと理由は分からないけど、思い出してみると、私は3歳くらいの頃、自分を「僕」と呼んでいた。
 近所の年の近い子たちが偶然全員男で、一緒に遊んでいるうちに違いが分からなくなってしまったみたい。

 お祭りの時に、
「僕、着物を着てるのよ」
 と話していたという記録が母の育児日記に残っている。
 語尾は女なのね。

 次の即売会(4月19日の文学フリマ金沢)で出す小説の主人公の一人称は「俺」
 これはけっこうキツかった。
 「俺」を自然に使うことは出来ないようで、自分の中の男性要素を過剰にしている自覚があった。
 わざとらしい感じになってないと良いのだけど。

 「拙者」「小生」「それがし」「わっち」「わらわ」も使えないな。
 一人称によって続く文章はある程度規定されるから。

「拙者はプリンが大好きなの」
 だとダメで、
「拙者、プリンが大好きでござる」
 なら大丈夫…… なのかな?

 日本語の一人称っていったいいくつあるんだろう。
 全部完璧に使えたら、小説を書くのに便利だろうな。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:54| 執筆 | 更新情報をチェックする

2015年03月20日

雲田はるこ「昭和元禄落語心中7巻」感想

 いや〜 良かったですね!
 戦前・戦後が舞台の「八雲と助六篇」が5巻で終わり、現在はバブル期が舞台の「助六再び篇」

 私は「八雲と助六篇」の主人公だった菊比古(後の八雲)がとにかく大好きだった。
 「助六再び篇」では八雲が脇役になってしまうから、興味を失ってしまうのでは……
 と心配していたのだけど、いやいや、展開が上手い!
 全然問題なかった。

 愛し合って結婚した訳じゃない与太郎と小夏に夫婦の絆が芽生え、ページを追うごとにそれがより強く、かけがえのないものになっていくのが伝わってきて、じーんとした。
 こういう愛情のあり方って、昔はよくあったんじゃないかな? お見合い結婚の夫婦とか。
 最近は「恋→愛→情」の流れが定番になっているから、あまり描かれないよね。

 絵もストーリーも「少し昔」の空気がたっぷり。
 昭和の頃には、昭和にロマンを感じる日が来るなんて思わなかったよ〜

 この巻に出てくる噺は、
 「寿限無」「時そば」「明烏」「錦の袈裟」「反魂香」「居残り」
 です。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:17| 読書 | 更新情報をチェックする

2015年03月19日

D.H.ロレンス「プロシア士官」感想

 このところ、
「小説はあんまり読みたくないな〜 エッセイや勉強の本を読もう」
 という気分だったのに、自分の小説を書き終えたら(現在Dちゃんのチェック待ち)
 急に読めるようになった。

 よその小説の登場人物の人生まで抱えられなかったんでしょうな。
 うちの子たちだけで手一杯。

 今日は「ゲイ短編小説集」に入っている、D.H.ロレンスの「プロシア士官」を読んだ。
 歩兵連隊長(男)が部下(男)を好きになってしまうのだけど、隊長は自分の中に生じた気持ちを認められず、部下に暴力を振るい、それがどんどんエスカレートしていく、という話。

 正直、
「古臭い話だなぁ、今はもう次の段階だろ」
 と思ったけど(1914年の作品。実際に古い)
 もしかしたらまだまだこういう混乱は続いていて、愛情になるべき感情が憎しみになり、それがいじめにつながっているケースもあったりするのかもしれない。

 同性愛への理解が進めば、同性愛者自身の同性愛嫌悪もなくなるのかな。
 それとも社会の情勢とは関係なく、葛藤は残るのだろうか。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:42| 読書 | 更新情報をチェックする

2015年03月18日

オリーブオイル値上げ

 オリーブオイルの値上げっていつからだっけ?
 値上げ前にまとめて買いたいけど、元々そんなに安いものではないからためらってしまうな。
 もう上がっちゃった?

 他の食品も色々値上がりしているけど(東京新聞のこの記事が分かりやすい)
 オリーブオイルは50%! 異常だ。

 黒田の野郎…… ちきしょう……
 ↑日銀総裁

 しばらくスパゲッティに使う油をごま油にしようかしら。
 それはそれで美味しそう。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:39| 料理・食べ物 | 更新情報をチェックする

2015年03月17日

肋間神経痛

 20代の頃、心臓のあたりが急に痛くなり、慌てて病院に行ったことがある。
 レントゲンを撮った後、医者に、
「肋間神経痛ですね」
 と言われた。

「肋間神経痛というのはどういう病気ですか?」
「胸のあたりが痛くなって、原因がよく分からない時に『肋間神経痛』と言います」

 日常で使わない病名が出てくると診察してもらったような気分になるが、これって結局、
「頭が痛いんです」
「『頭痛』ですね」
 という会話と変わらないよな。

 まあ痛み止めをもらって飲んだらすぐ治り、その後再発もしてないから良いのだけど。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:28| 健康・美容 | 更新情報をチェックする

2015年03月15日

オレオレ詐欺の経済効果

 2014年の特殊詐欺(オレオレ詐欺、還付金等詐欺、金融商品詐欺など)の被害額は、500億円を超えたらしい。
(警察庁のページにあった統計より→これ PDFファイルです)
 不謹慎な話だが、これだけのお金が動いているのだから、経済効果があっても良さそうなものなのに、と思う。

私「詐欺で取られたお金はどこに行くんだろうね?」
D「犯人が貯金してるんじゃないの」
私「何に使うんだろう?」
D「老後のために使わないでおくんだよ。高齢者になったら今度は詐欺の被害者になって、そのお金を取られるんだよ」
私「一度も使われないままぐるぐる回るんだ……」

 高齢者も詐欺師も、老後の不安がある限り、お金は消費には向かわないんだね。
 私たちはどうすれば安心出来るのだろう?
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:31| 社会 | 更新情報をチェックする

伯母(小)の猫嫌い

 うちの実家において「猫」は「禁じられた動物」だった。
 伯母(小)が猫嫌いだったのだ。
 それも桁外れに。

 猫を飼うことはもちろん、家族の会話に「ネコ」という単語を出すのさえ憚られた。
 猫のイラストの入った食器や文具も絶対に買わなかった。
 それらは邪教の神体のようなもので、家への侵入を許してはいけないのだ。

 外でもあまり猫とは関わらないようにした。
 それでも私は動物全般が好きなので、隣の家の猫に手をそっと伸ばしたら、噛まれた。
 やっぱり猫には近付かない方が良い、という思いを強くした。

 伯母(小)は何故あんなに猫を嫌っていたのだろう。
 彼女から猫嫌いの理由を聞いたことは一度もない。
 何しろ家で猫の話をしてはいけなかったのだから。

 語られることはなくても、伯母(小)の猫嫌いは我が家という存在の基礎だった。
 家族全員がその憎しみを前提にして暮らしていた。
 よくよく考えてみると奇妙な話だな。

 そんな家で育ったのに、私は猫嫌いにはならなかった。
 もちろん猫好きにもならなかった。
 何しろそれは私にとって、敵国(←どこ?)の国教の神様みたいなもの。

 ただ、いつの間にか周りが猫好きだらけになっており、猫のポストカードや雑貨が勝手に増えてゆく。
 ネットでも猫漫画や猫写真を毎日チェックしている。
 私は猫好きではなく「猫好き好き」なのだ。

 猫好きの人たちを見ていると、伯母(小)が猫を憎んでいた理由が分かる気がする。
 伯母(小)は猫が持つ不思議な力、魔力(魅力)に恐怖を感じていたのではなかろうか。

「それとも単に、前世がねずみだったの?」
 と伯母(小)に尋ねたら、額に5本くらいシワを寄せて睨まれるだろうな。
 猫を想起させる全ての会話が、この家では禁じられている。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:03| 家族 | 更新情報をチェックする

2015年03月14日

ニンジャスレイヤーの話

 「ニンジャスレイヤー」という小説には、バイオテクノロジーで人為的に作られ、ロボットのように使われる、
「クローンヤクザ」
 というのが出てくる。

 はて、それに対して普通の人間のヤクザのことを何て呼ぶんだっけ……
 「オーガニックヤクザ」?

 ドラッグも天然にこだわってそう。
「100%植物生まれ。無着色・無香料」
 ケシの花束を抱えた農家のおじさんの写真が名前付きで貼ってあって、
「私が育てました!」
 こういう体にやさしいドラッグなら吸い過ぎても安心ね♪
 
posted by 柳屋文芸堂 at 01:29| 読書 | 更新情報をチェックする

2015年03月13日

三浦しをん「舟を編む」文庫化

 三浦しをん「舟を編む」が文庫化されましたね。
 本屋さんでちょっと見てみたのですが、なんと! 文庫特典で「馬締の恋文」全文が収録されてるんだよ!!
 これは作中に出てくる非常に重要な小道具でして、登場人物たちはこれを読んで行動を起こしたり驚いたり色々するのに、読者は一部抜粋しか読めず、
「きっと真面目過ぎておかしなことになってるんだろうな〜」
 と想像するしかなかったのです。

 ううー 読みたい! 欲しい!!
 どんなに好きな作家でもハードカバーと文庫の両方買うことなんてないのに……
 母親に送りつけて馬締の恋文だけ読ませてもらおうかな。

 私は「舟を編む」のしおりも大事に使っています。
 本屋大賞の時のキャンペーンだったのかな? 本屋さんでもらいました。
 ハードカバー・文庫・しおり全てに雲田はるこのイラストが付いているのがまた良いのです。
 「少しだけ昔」の雰囲気が、主人公の恋心によく合ってて。

 言葉への愛があふれる、楽しい小説です。
 まだ読んでない、という方はこの機会にぜひどうぞ。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:57| 読書 | 更新情報をチェックする