2015年04月20日

文学フリマ金沢レポート

 今回、私は一つの目的を持って文学フリマ金沢に参加しました。
「全てのスペースを回り、出来るだけ多くの本を開いてみる」
 委託も含め、おそらく会場にあったほとんど全ての本を読めたと思います。
(ただし、シリーズものは1巻だけにしました)

「見知らぬ読者の心をつかむ冒頭」
 と、
「ただ脳を通り過ぎるだけで引っかからない冒頭」
 の違いが何なのか、知りたかったのです。

 アマチュアの文章とはいえ、小説の中で何が起きているのかはたいてい分かる。
 でもだからと言って、その先も読んでみたいと思うとは限らない。

 選択の仕方はもちろん人それぞれですが、私の場合、
「自分に関係があると感じられるかどうか」
 というのが大きな判断基準になっていると分かりました。

 たとえば大場さやかさん(サークル名:欠片舎)の「明日、また」という本は、
「明日、また朝が来るかどうか、わからない」
 と始まる。

 私も時々、
「寝ている間に死んじゃうかもしれない」
 と思いながら眠ったりするので(朝が来ると「おお、生きてる……!」と感動する)
 この本の登場人物は「明日」までの不確かな時間をどう過ごすのだろう、と思い購入した。
 そう、「先が読みたくなった」のだ。

 睡蓮・クラーク・野村さん(サークル名:WaterLilies Garden)の「いままでの道、これからの道」は、
「仲間が出来るぞ、と言われたとき、サンダーバードは正直どういう反応をすればいいのか分からなかった」
 と始まる。

 これは鉄道擬人化本。
 前日、サンダーバードに乗ったばかりだった私は吹き出してしまった。
 そして「仲間(「はくたか」である)」とどうなるの?! とワクワクし、購入した。

 この経験を活かし、これからは、
「誰かとつながりたい、関係を持ちたい」
 と念じながら小説の冒頭を書いてみようと思う。
 意図してやるのは難しいけれど、意識したら何かが(良い方に)変わるんじゃないかな。
 自己満足から一歩前に進みたい。

 もう一つ、とんでもない発見がありました。
 後で詳しく別のレポートを書く予定ですが(ショボ〜ン書房の石井さんに頼まれた…… あの人、人に文章書かせる天才だね)山口汎一さん(サークル名:パナトリエ)の手彫り活字で印刷された和綴じ本。

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 これらの本がこの世に生まれ、金沢までやってきた経緯はまさに物語で、聞いていて涙が出ました。
 自分の言葉を形にしたい、という狂おしい思い。
 これらの本はその原点であり頂点であるように感じました。

 まあそんな風に読み手・買い手として歩き回っていたため、自分のスペースには10分もいなかった。
 ここまで完璧に放置したのは初めてだよ……
 それでも本は減っていたようです(まだ何冊出たか確認してない)

 うちの本を手に取ってくださり、ありがとうございました。
 ひどい店主で申し訳ない。

 唐橋史さん(サークル名:史文庫)のアンソロジーの作り方講座にも参加しました。
「大変だけど楽しい!」
 という結論は、同人活動全てに共通して言えることだなぁと、深く共感。

 文学フリマ金沢で私に言葉を与えてくれた全ての方々に、
「ありがとうございました!!」

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posted by 柳屋文芸堂 at 11:01| 同人活動 | 更新情報をチェックする

金沢に行って来た

「新幹線開業で、金沢駅は金箔を貼ってピカピカにしたらしいよ!」
 と母に言われたのだけど、普通の駅だった。
 どこからそんなデマが…… ジパングかよ。
 それとも見えないところに黄金の茶室みたいな部屋があったのだろうか。
 まさか、トイレ?!

 という訳で帰ってきました。
 驚いたのが、石川って関西語圏なのね!
 福井から西が関西弁、というイメージを勝手に持っていた。
 香川も関西弁だったなー 意外と広いのね、関西語圏。
 山中温泉で聞いた言葉は、舞城王太郎の小説の言葉にかなり近かったのかも。

 他にも色々と楽しいことがあったので、少しずつブログに書けたら良いなと思います。
 今夜はとりあえず、おやすみなさい。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:33| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする

2015年04月17日

第一回文学フリマ金沢

 今週末はいよいよ金沢!!
 土曜の朝に新幹線で向かい、前日は観光するという計画。
 明日は荷造りや料理作り(土日の分も用意せねばならぬ)で忙しくなるので、今のうちにもう一度宣伝。

第一回文学フリマ金沢

開催日 2015年4月19日(日)
時間  11:00〜16:30
会場  ITビジネスプラザ武蔵
アクセス JR北陸本線・北陸新幹線「金沢駅」兼六園口(東口)徒歩15分・バス/タクシー5分
      北鉄バス「武蔵ヶ辻」徒歩1分
      「めいてつ・エムザ」スタジオ通り側・下堤町寄りエレベータをご利用ください。
入場無料

 新刊は「贋(にせ)オカマと他人の恋愛」

 歌舞伎の研究者を目指す七瀬耕一。
 村上春樹と同じ勉強がしたい、と演劇専修に進んだ隅田周平。
 周平の恋人で、いつも周平と一緒にいる七瀬にやきもちを焼く辻堂克巳。

 奇妙なバランスを保ったまま過ぎてゆく、三人の大学生活。
 しかし、永遠に変わらない関係などありえない。

 これから話すのは、壊れてゆく恋の話だ。
 なるべく楽しく語りたいとは思うけれど、何しろ結末が決まっている。
 それぞれの立場で出来得る限り足掻きもがいたのに、逃れようがなかった。
 俺も、周平も、克巳も。


 同性愛 同性愛のように見える異性愛 異性愛のように見える同性愛
 様々な形の、純粋な愛がいっぱい詰まった物語です。

 A5 102ページ(中途半端だな……)
 既刊の情報はこちら
 全品無料配布(机に置いておくので、興味のある人は持っていって〜)

 スペース番号は「い-36」です。
 遊びに来てね♪

 と言いつつ、私はスペースを離れていることが多いと思います。
 直接話したいという人がもしいたら、まずはバンダナのおばちゃんを見つけてください。
 太い眉毛、鋭い眼光、分厚い唇がそろっていたら、おそらくそれは柳屋文芸堂です。

 旅先ではネットを使いません。
 次のブログの更新は日曜の夜か月曜日になります。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:00| 同人活動 | 更新情報をチェックする

2015年04月15日

美味しいだけじゃない! ホタルイカ

 北陸地方に詳しい方が、Twitterで「ホタルイカの身投げ」の話をしていた。
 身投げ? ホタルイカって投身自殺するの? もともと水中にいるのにどこへ?
 と不思議に思い検索してみたら、すごく綺麗な写真が出て来た。

 富山県氷見市の民宿「青柳」のページ(これ
 海岸の、波打ち際のラインに沿って、青い光が河のように遠くまで続いている。
 添えられている説明を引用します。

 ホタルイカの身投げは、産卵のために海岸近くまで来ている、または産卵を終えたホタルイカが波によって海岸に打ち上げられることを言います。

 なるほど、水に飛び込むのではなく打ち上げられるんだ。
 こんな現象があるなんて全然知らなかった。
 そもそも私、ホタルイカが光ることを忘れていた……

 見たことがないと意識しないよね。
 私にとってホタルイカは「小さい美味しいイカ」
 柚子こしょうがよく合う〜 ご飯が進む〜 というだけだった。

 最初に書いた北陸地方に詳しい方を質問攻めにしたところ(すみません。ホタルイカについて尋ねる機会なんてなかなかないし)大学のサークルでは新入生歓迎会のような形で「ホタルイカの身投げ」を見に行ったりするらしい。
 3〜5月に起こるというから、確かに時期としてぴったり。

 知り合ったばかりの若者たちが、波の音だけが響く真っ暗な海辺で、必ず見つかるとは限らない青い光を探すため、じっと目を凝らす。
 って、若さも富山も遠い私には、クラクラするような胸焦がしシチュエーション!!

 今週末、金沢に行く。
 どうして宿泊地を富山にしなかったんだ、私。

 少し考えたのだけど、
「まあ、ホタルイカは埼玉でも食べられるし、いっか!」
 って思っちゃったんだよね。

 光っているところは春の富山でしか見られないよ!
 ホタルイカが光ることを思い出していれば……

 どんな場所にも、そこでしか体験出来ない、素敵なことがあるんだなぁ。
 いつか見られますように。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:56| 自然 | 更新情報をチェックする

母の可愛い「しょぼーん」

 母の腰痛治療のため病院通いをしています。
 普段は在宅医療(家にお医者さんが来てくれる)なのですが、それだとレントゲンが撮れないので、紹介状を書いてもらって近所の整形外科へ。
 とりあえず湿布薬と、これ以上悪化させないために骨粗しょう症の薬を使いましょう、という話になった。

「歯の治療はしてますか?」
「いえ、しなきゃなー と思いつつ、なかなか」
 と虫歯だらけの歯を見せる。
「骨粗しょう症の薬は副作用が歯に出やすいので、まずは歯を治してください」

 私がいくら言っても歯医者さんに行くのを渋っていた母。
 まさか整形外科の先生に歯の話をされるとは思っていなかった。
 押し車の、握る棒のところに頭を押し付けて、しょぼーん。
 この姿が、可愛いっ!

 Dちゃんが私を撮影した動画を見ると、表情や動きが大袈裟で、
「こいつは漫画の登場人物か!」
 と自分にツッコミを入れてしまう。
 何か物を眺めている時など、
「しげしげ」
 と手書き文字で空中に書いてあるような錯覚を起こさせる。

 母の頭の上にも「しょぼーん」って文字が見えた。
 こういう漫画的な動きは母ゆずりなんだな…… と可笑しかった。

 歯医者さんが嫌なのはよく分かるけど、虫歯は治さないと悪化するだけだし、どうにか行ってもらいたいなぁ。
 親は泣き叫ぶ子どもを歯医者に連れて行ったりするのだから、子どもも親を無理にでも歯医者に連れて行くべきだろうか……
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:49| 家族 | 更新情報をチェックする

2015年04月14日

焦らなくたって自然と汚れていくのに

 子どもの頃、ガードレールが自分の目線より上に見えるのが腹立たしかった。
 守られているのが嫌だった。
 安全でクリーンなものだけ与えられているのに気付いていた。

 隙間から見える本当の世界を、もっと知りたいと思っていた。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:52| 自分 | 更新情報をチェックする

2015年04月12日

薄力粉スコーン

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 久々のスコーン!
 いつもは薄力粉と強力粉を混ぜるのだけど、今回は薄力粉だけで作ってみました。
 軽くサクッとしてクッキーみたい。

 難点は、かじった時にほろほろ崩れてしまってちょっと食べにくいこと。
 だから強力粉を入れるようレシピに書いてあるんだなー と学習。
 でもこれはこれで美味しい!

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posted by 柳屋文芸堂 at 23:11| 料理・食べ物 | 更新情報をチェックする

脳みそのOS

 村上春樹の期間限定サイトの、
「主人公の生き方は、受動的なのか主体的なのか」
 という質問と答えが興味深かった(この記事

 ドイツ人の質問者が村上春樹の小説の登場人物を「受動的」ととらえているのに対し、村上春樹は、

「僕は彼らが受動的であると考えたことはほとんどありません。僕の小説の主人公たちの多くは、世界の流れを「既にそこに生じたもの」として観察し、捉え、その展開の中に自分たちを有効に組み込ませようと、静かに(そしてむしろ主体的に)努めているのです」

 と反論している。

 こういう降りかかる火の粉をはらうような主体性って、西洋人には分かりにくいものなのだろうか。
 トラブルが起きた時に、正しい対処法を即座に思いつき、迷いなく実行出来る人なんていないんじゃないかな。
「間違っているだろうか? もっと良い方法があったんじゃないか?」
 と不安に感じながらも、どうにか工夫して乗り切っていく、というやり方(生き方)が自然であるように私は感じる。

 ドイツ人の質問者が登場人物の生き方に疑問を持つのと同じように、私は「西洋的主体性」ってどんなものなのかなぁ、と不思議に思った。
 「強い意志」というものがあったとして、それが正しいという保証はどこにあるのだろう。
「自分で選んだからには、これが正しいんだ!」
 と信じて積極的に進んでいくよう、子どもの頃からしつけられたりするのだろうか。

 育った国や文化が違うと、同じ人間でも「脳みそのOSが違う」ような印象を受けませんか?
 考え方の基盤に、どれだけ説明されても理解しにくく、納得出来ない部分がある。
(OSはoperating systemでコンピュータの基本プログラム。WindowsとかMac OSとかUNIXとか)

 場所だけでなく時代でもそう。
 江戸時代に作られた歌舞伎や文楽だって、
「何でこんなことするの……?」
 と首を傾げてしまう展開がいっぱい。

 でも、すぐには分からなくても、色んな脳みそのOSについて知りたいなー と私は思っている。
 自分のOSでは動かなかったソフトが、別のOSでなら問題なく使えるかもしれない。
 一つの見方では八方ふさがりだった悩みが、別の見方をすることによって解決の糸口を見つけられたりするかもしれない。

 一人一人の脳みそのOSは、全部微妙に違うのだろう。
 小説の登場人物というのは、
「一つのOSの例(考え方の例、生き方の例)」
 を見せてくれるのだと思う。

 私は大島さん(「海辺のカフカ」の登場人物)やかえるくん(「かえるくん、東京を救う」の登場人物)を時々頭の中に呼び出して、自分の生き方はこれで良いかな、と確認する。
 村上春樹が質問に対する答えの中で使っている「ロールモデル」というのはこういうことなのだろう。
 完全に模倣するのではなく、生きていく時に参考に出来る存在。

 実を言うと一番呼び出し回数が多いのは村上春樹の作品ではなく、ジョージ・オーウェル「1984年」の主人公、スミスだ。
 あんなに希望を与えてくれる小説って他にないよね。

 人間は物語がないと動けない。
 コンピュータにOSが必要なように。
 たとえそこに大きな欠陥があったとしても。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:42| 考え | 更新情報をチェックする

2015年04月11日

旅行には自分用の石けんを

 旅行に行くと、ホテルの洗剤(シャンプーやハンドソープなど)が肌に合わず手荒れを悪化させて帰ってくることがよくあった。
 温泉に浸かっても意味が無い。

 最近は自分好みの洗剤(これ。ミヨシの「素材こだわり泡の洗顔せっけん」)を必ず持っていくようにしている。
 たとえ荷物が一つ増えても、アカギレが増えて手が痛くなるよりはマシ。

 洗顔用だけど、これで全身洗っちゃう。ハンドソープ代わりにもする。
(まあ、一日二日なら構わないだろう)
 ココナッツオイルで作られているせいか、ちょっと甘い匂いがするのも気に入っている。

 来週の金沢旅行が楽しみで楽しみで♪
 またこれを持って行くぞ〜
 
posted by 柳屋文芸堂 at 01:08| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする

2015年04月10日

江戸しぐさ

 荻上チキのラジオ番組の「江戸しぐさ」特集が面白かった。
(公式サイトの記事はこちら
 江戸っ子狩りとか、コインロッカーベイビーを集めて江戸っ子を純粋培養とか。
 ニンジャスレイヤー並みの発想。スゴイ!

 元々「江戸のイメージ」って、時代劇やら時代小説やら落語やら歌舞伎やらで夢と希望を詰め込まれ過ぎて、ウソだらけだよね。
 実際の江戸の様子を頭に描けるのは、ごく少数の研究者だけなのだろう。
 だからまあ、江戸しぐさもやりたい人はどんどんやれば良いと思う。
 空想するのは自由なのだから。

 ただ、一銭たりとも税金は使わないで欲しい。
 公立学校の教育に取り入れたら、それは税金だよ。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:23| 社会 | 更新情報をチェックする