世津路章さんによる、劇場版クレヨンしんちゃんのレビュー本。
12作品が紹介されているのですがどれも熱く、愛情にあふれていて、クレヨンしんちゃんにそれほど興味のなかった(ごめんなさい)私も、色々見てみたくなりました。
特に嫌っていたわけではないのだけど、ちょうど「大人向けの作品が見たい」という気持ちが強くなる思春期の頃に子供向けアニメとして登場してきた感じがあって、見る機会がなかったのでした。
自分用のメモになりますが、気になった作品とその理由。
☆ヘンダーランドの大冒険
世津路さんによると、クレヨンしんちゃんの世界を知らない人でも大丈夫な初心者向けの作品らしいので、まずはここから見てみようかなと。
群馬にあるヘンダーランドへ行く、という土地の感覚も良いなと。
☆暗黒タマタマ大追跡
魅力的なオカマキャラが出てくるそうなので。
オカマは大切な文化だと私は思っているのですが、差別的であるとして、今後はかつてのように物語の中に気安く登場することはなくなるだろう。
☆嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
「懐かしさ」に魅了され、囚われの身になってしまう大人たち、という設定が切実で面白いなと。
青春というのは離れれば離れるほど美しく見えてくる、というのを最近実感するようになったので。
心を意識して前に向けないと、人間というのはすぐに下や後ろばかり見てしまうものなのかもしれない。
☆嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス
事件は起きるのに悪役がいなくて、やや観念的なお話であるらしいところに惹かれた。
失われるとギスギスしてしまう和みの力、ヒママター。
その力、出せるようになりたい。
☆バカうまっ!B級グルメサバイバル!!
一転こちらはおバカストーリーとのこと。
「腹へった! と、おいしいね! は、きっと暴力より、この世の何より強い」
という文章に、グルメFESという食べ物小説の企画で世津路さんとお話するようになったことを思い出し、微笑んだ。
レビューは世津路さんのブログでも読めますので(こちら)ぜひどうぞ!
2017年05月04日
「25周年おめでとう!映画クレヨンしんちゃんを勝手に振り返ってオススメしてみた」感想
posted by 柳屋文芸堂 at 23:42| 読書
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2017年05月02日
「ミュシャ展」感想
Dちゃんと一緒に国立新美術館で開催中のミュシャ展に行ってきました〜
チェコ国外では世界初公開の「スラヴ叙事詩」がやはり見応えがあった。
私が絵の中で表現されている物語や情感を読み取ろうとするのに対し、Dちゃんは色彩や構図に注目して見ていくのが面白かった。
歴史を描いたリアルな絵でありながら、デザイン的なテクニックを使っているので、大昔の話というより「現代人のための神話」という印象を受ける。
発表当時は流行からズレてしまっていたらしく、あまり評判は良くなかったらしい。
古典的主題と商業的技法の融合って斬新だと思うんだけどな……
日本の漫画家やイラストレーターがミュシャからの影響を強く受けているせいか、日本人には(特にアニメやゲームなどオタク文化が好きな人には)非常に親しみやすい世界だと思う。
ミュシャの生涯を紹介する映像コーナーで、最晩年にナチスの尋問を受けたと知った。
尋問、という言葉にどれだけの恐ろしいことが含まれているかを考え、泣いてしまった。
ほんの十数分の映像では、ミュシャが人生を送る中で感じた希望や失望がどんなものだったか、本当のところは全然分からないのだけれど。
悲しいことばかりじゃなかったよね?
ミュシャの絵のように美しい瞬間も、きっといっぱいあったよね?
受け手の反応には関係ない、描くという行為そのものから得られる喜びが。
一部分だけよく知っていた「クオ・ヴァディス」の全体を見られたのも嬉しかった。
想像していたよりずっと妖艶だった。
並ばずに入場出来たものの、チケット売り場とグッズ売り場の行列はすごかった。
可能なら平日に行くことをおすすめします……
チェコ国外では世界初公開の「スラヴ叙事詩」がやはり見応えがあった。
私が絵の中で表現されている物語や情感を読み取ろうとするのに対し、Dちゃんは色彩や構図に注目して見ていくのが面白かった。
歴史を描いたリアルな絵でありながら、デザイン的なテクニックを使っているので、大昔の話というより「現代人のための神話」という印象を受ける。
発表当時は流行からズレてしまっていたらしく、あまり評判は良くなかったらしい。
古典的主題と商業的技法の融合って斬新だと思うんだけどな……
日本の漫画家やイラストレーターがミュシャからの影響を強く受けているせいか、日本人には(特にアニメやゲームなどオタク文化が好きな人には)非常に親しみやすい世界だと思う。
ミュシャの生涯を紹介する映像コーナーで、最晩年にナチスの尋問を受けたと知った。
尋問、という言葉にどれだけの恐ろしいことが含まれているかを考え、泣いてしまった。
ほんの十数分の映像では、ミュシャが人生を送る中で感じた希望や失望がどんなものだったか、本当のところは全然分からないのだけれど。
悲しいことばかりじゃなかったよね?
ミュシャの絵のように美しい瞬間も、きっといっぱいあったよね?
受け手の反応には関係ない、描くという行為そのものから得られる喜びが。
一部分だけよく知っていた「クオ・ヴァディス」の全体を見られたのも嬉しかった。
想像していたよりずっと妖艶だった。
並ばずに入場出来たものの、チケット売り場とグッズ売り場の行列はすごかった。
可能なら平日に行くことをおすすめします……
posted by 柳屋文芸堂 at 23:32| 美術
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