2019年06月27日

アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」感想

 ジョジョはファンが多く、セリフがあちこちで引用されているようだし、読んでみたいな〜 と前々から思っていた。
 しかし現在124巻まで出ている漫画を全巻制覇するのは大変。
 荒木飛呂彦さんが描くカラーイラストの美しさに憧れつつ、手を出せずにいた。

 Dちゃんに相談してみたところ、
「『ダイヤモンドは砕けない』を見てみたら? 独立した話になっていて、前のシリーズを知らなくても楽しめるし、荒木飛呂彦独得の色使いも再現されているよ」
 それでは、と見始めたら、ハマった! ハマった!!

 杜王町という小さな町に特殊能力(スタンド)を持った殺人鬼がおり、主人公はその事件を追いつつ、様々な人々と出会っていく、というのが大まかなストーリー。
 少年漫画的なバトルを中心としながらも、サスペンスやギャグの要素も多く、ハラハラしたり声立てて笑ったり、面白かった!

 ジョジョに「スタンド」というものが出てくるのは知っていたけれど、具体的にどんなものなのか、つかめていなかった。
 見ればすぐ「こういうことかー!」と分かりますね。
 説明するのは難しいな。守護神ともちょっと違うし……

 よくもまあこんなに多種多様なスタンドと、それを使った攻撃を思いつくものだと感心した。
 罪悪感で発動する錠前のスタンド(ザ・ロック)とか、相手の体を本にして人生を読み取るヘブンズ・ドアーとか。

 主人公の仗助も、友人の康一や億泰もそれぞれ本当に良い子で、愛おしい。
 康一の体力的な弱さや、億泰の考える力の無さが、物語の展開を作ってゆく(康一→しょっちゅうやられて監禁されたりする。億泰→選択を迫られるが、いつも兄の言いなりだったため自分で正解を導けず、間違ったり適当に選んだりしてしまう)
 その人の長所だけでなく短所も、物語を回す大事な要素なのだな、と。

 康一のスタンドがパワーアップした時に、康一が自分で髪を切って髪型を変えたのが可笑しかった。
 ジャンプ的な、力がインフレしていく漫画は、確かに強くなると髪型や髪の色が変わったりする。
 そのパロディだったのだろう。

 背の小さな康一と間田が並んでしゃべっている様子が、強くなる前の悟空とクリリンみたいで、泣きそうになった。
 タイトルの通り「奇妙な」話ではあるけれど、王道少年漫画の伝統をふまえた作品だと強く感じた。
 ジョジョの向こう側に、数多の「かつての少年漫画」が透けて見える。

 私が一番好きなキャラは、漫画家の岸辺露伴。
 漫画家が漫画家を描くと鬼気迫るものがある。
 目の前のことに夢中になり過ぎて、常識では考えられないことを仕出かしたり、物語を盛り上げていた。

 ネットでよく見る、
「だが断る」
 というのは彼のセリフだったのね(元ネタを知らなかった)

 登場人物の服装やポーズ(ジョジョ立ち)がどれも洒落てる。
 家でジョジョ立ちをまねしてみたら、
「のりがやるとハニワみたいだね」
 とDちゃんに言われた……

 国立新美術館でジョジョ展が開催された時、日時指定の予約制だったこともあり、
「ジョジョを読んでいない私が行ったら、古くからのファンに申し訳ないかな……」
 と遠慮してしまった。今から思えばやっぱり行っておけば良かった。

 またどこかでやらないかな、と調べてみたら2020年1月から長崎でやるみたい。
 遠いな。でも旅もしたいし良いかも。

 ずっと興味のあったジョジョの世界に触れられて、幸せでした♪
 
posted by 柳屋文芸堂 at 13:40| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

2019年06月19日

アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」感想

 とにかく構成が上手かった。

 まず第1話。いきなり意味不明の戦いから始まり、ほのぼのに移ってシリアスへ。

 物語の最初の部分はやらなければいけないことが沢山ある。
 登場人物の名前や、舞台となる場所の様子を知らせ、世界観をつかんでもらう。
 続きが気になるように、見ている側が解明を諦めない程度の謎を残す必要もある。

 そういう基本的なことを自然に行った上で、作品全体の雰囲気も伝えており、見事だと思った。
 最初からほのぼのだったら、ほのぼの好きな人以外は「だるいなー」と見るのをやめてしまうだろう。

 まどマギはずいぶん話題になった作品なので、同じ時間を繰り返すことは知っていた。
 しかし第12話で終わるのに第9話までは普通に時間が進んでゆき、
「あと3話しかないのにどうするんだ?」
 と思ったら、第10話に「繰り返してきた時間」がまとめられていて、そうやるのかー! と。

 オープニング映像で主人公のまどかは魔法少女の姿なのに、本編ではなかなか魔法少女にならない。
 これはオープニング詐欺では?! と思わせておいて、第10話でようやくその意味が分かる。
 時に閉じ込められる悲しみが凝縮した素晴らしい回だった。

 最後に完全な平和が訪れるわけではないけれども、
「ほむらちゃんが呪縛から救われた!
 大好きな人に自分の思いを理解してもらえた!」
 という喜びが大きかった。

 小説書きとして見ると、物語をどういう順番で見せていくのが最も効果的かを考えるのに、大変勉強になる作品でした。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 18:30| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

アニメ「宝石の国」感想

 最初、のんびり話が進むのかと思ったら、予想しなかった不思議な出来事が次々起こり、
「先が気になるー!」
 と最終話までだれずに面白く見られた。

 主人公たち「宝石」の敵である「月人」が怖い。
 三十三間堂の千体千手観音像をピカピカにしたようなのが空からやってくる。
 何を考えているのか全然わからない。

 月人に比べると「ゲゲゲの鬼太郎」のバックベアードは自分の目的を分かる言葉で説明してくれて親切だな。

 宝石たちの戦い方は美しく、かなり強いが、月人は数が多くて、出し抜けに奇想天外な攻撃をして来たりする。
 宝石たちはしばしば粉々になり(これは直せる)月人に連れ去られてしまうこともある(こうなると戻ってくるのはかなり難しい)

 宝石たちは明るく楽しく暮らしているけれど、仲間を失った記憶を痛みとして抱えている。
 宝石たちは鉱物としての特徴にちなんだ個性を持ち、男でも女でもない。
 物語を愛する人たちの心の中にいる「少年・少女」の概念を結晶化させたような存在。
 それぞれの純粋な思いが交錯する様子が、萩尾望都「トーマの心臓」のようだ。

 どの子もけなげで愛おしい。
 イエローダイヤモンドお兄様は格好良く、双晶アメシストは優しく、ダイヤモンドは可愛らしい。
 ダイヤモンドが自分をボロボロにして戦うシーンは切なかった。

 それにしてもアニメって戦う話が多いね。
 アニメの絵と動きが戦闘シーンを描くのに向いているのだろうか。
 小説に向いているものは何だろう……

 えっ、ここで?! ここから始まりでしょ! という終わり方だったので(原作はまだ連載中)
 続きもアニメ化されると良いな♪
 
posted by 柳屋文芸堂 at 10:16| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

2019年06月14日

「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」感想

 ちひろ美術館・東京で開催中の、
「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」
 に行ってきました。

 ショーン・タンは、言葉が一切書かれていないのに登場人物たちの感情がひしひしと伝わってくる稀有な作品「アライバル」などで知られる絵本作家です。

アライバル
アライバル

 美しい原画にも感激しましたが、作品制作の舞台裏に触れられたのが嬉しかった。
 幻想的な世界観や、その表現であるイラストも、現実世界の注意深い観察から生まれる、ということで、旅先の風景を描いた絵画が数多く展示されていた。

 私はいつもぼんやりしていて、何事もしっかり見ていないという自覚がある。
 ものを見る訓練のために、写生や写真撮影をしてみようかな……

 「アライバル」の漫画のような画面構成は、レイモンド・ブリッグズの「スノーマン」を参考にしたそう。
 ブリッグズは「風が吹くとき」が深く心に残っているので、こちらも読んでみたいな。

 ショーン・タンにも描けなくなる時があるという。
 そこから抜け出すために、鉛筆の気の向くまま、ただ手を動かす。
 頭の中で先に考えておくのではなく、描いているうちに考えが生まれたりまとまったりする。
 私も文章に詰まったら、自分の手を信頼して、とにかく何か書いてみよう。

 ショーン・タンが原作と監督を務めた短編映画「ロスト・シング」も見ることが出来た(会場内で上映している)
 YouTubeに紹介動画があったので貼っておく。


↑45秒日本語付き


↑1分15秒

 心に余裕を持ち、古いもの、忘れ去られたものを大切にすることが、豊かな創造につながる。
 そんなメッセージを私は受け取った。

 ショーン・タン本人のインタビュー映像を見て(これも会場内で流している)
 国は違えど同世代の(私と2歳しか違わない)「生きている」作家であることを実感した。

 才能の大きさが全然違うけれども、私も頑張って自分の描きたいものを描くよ! と前向きな気持ちに。

 グッズ売り場では大好きなエリックの絵はがきが沢山あり、
「ひどい! 嬉しいけどひどい!」
 と騒ぎながら見事に散財した……



 可愛すぎる。私の好みど真ん中すぎるよエリック……

遠い町から来た話
遠い町から来た話
↑こちらの本の中にエリックはいます。

 会期は7月28日(日)まで。
 ショーン・タンのファンはもちろん、絵や小説など何か創作している人に見てもらいたくなる展示でした。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 18:50| 美術 | 更新情報をチェックする

2019年06月11日

「東京の梅雨、熊本の梅雨」メイキング



メイキング、お好きな方がいるようなので、ちょこっと書いてみます。

コンビニのネットプリントを使った創作企画、第2回ペーパーウェルで、きぃちょんさんが配信してくださった紫陽花柄の原稿用紙が、期待以上に美しかった!

この原稿用紙に合う文章を書いてみたくなる。

紫陽花か梅雨の話…… 出来ればきぃちょんさんが喜んでくれるような…… きぃちょんさんは熊本の方……

自作BL「翼交わして濡るる夜は」の登場人物で、熊本出身の翼の話にしよう。会話の相手は恋人の司。東京にしか住んだことがない。

村上春樹「ラオスにいったい何があるというんですか?」の中に「熊本の梅雨は長くてきついよ」というセリフがあったな。東京とそんなに違うのだろうか?

東京と熊本の6月の降水量をGoogle検索。東京が167.7mm、熊本が404.9mmで、確かに全然違う。

「熊本の梅雨」でツイッター検索。熊本の梅雨は雨が強く降り、蒸し暑いらしいことが分かった(私は熊本に旅行で行ったことはあるものの、2月だったので熊本の梅雨は体験していない)

降水量と気温以外で、熊本と東京の梅雨に違いはあるだろうか。熊本は江津湖の芭蕉が印象的だった。東京では見たことのない風景。2月には枯れていたけれど、梅雨の頃はどうなっているのか。

「6月 江津湖 芭蕉」でGoogle検索したところ、ホタルの情報が出てきた。梅雨の少し前が見頃らしい。よし、これも書こう。

iPhoneに入れてあるテキストエディタ「iText Pad」のレイアウトを「原稿用紙タテ20」に設定し、本文を書き始める。翼と司の性格を踏まえつつ、20マス×20マスに綺麗に収まることを優先して言葉や漢字を選んだ。

本文を書き終えたら「表現したかったこと」と「書いた文章から受け取れること」に差がないかチェック。例えば最初、
「親に挨拶しなくて良いから!」
と書いていて、
「別に挨拶くらいしたって良いよな。司は結婚の挨拶みたいなことをする勇気がないんだ」
と思い、挨拶の前に「そんな」を入れた。

タイトルは本文を書き終えた後、いくつか候補を出し、内容そのままのシンプルなものを選んだ。

賀茂なす万年筆で原稿用紙に書き写す。インクをこすらないよう左の行から。

カラー印刷したコピー用紙、インクを弾いたりすることもなく書きやすかった。賀茂なすインクの上品な紫が紫陽花柄に合ってニヤニヤ。

自分の持っているカメラ(古いiPhoneと、さらに古い広角単焦点デジカメ)で手書き文字を上手く撮影出来ず困っている。暗くなったり明暗差が出来たり文字の一部がピンぼけになったり。天気の良い日に窓辺で絞りを絞って少し離れた場所から撮ればマシになるかなー 晴れるまで待てなくて難あり画像でごめんなさい。

こんなところかな。本文もメイキングも楽しく書けました♪
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:00| ショートストーリー | 更新情報をチェックする

2019年06月05日

アニメ「ゴールデンカムイ」感想

 dアニメストアで「ゴールデンカムイ」第1期・第2期(第24話まで)見ました。

 テレビで放送していた頃、
「人がばんばん死ぬけど、ほのぼのグルメ漫画」
「女ではなく男が脱ぐ」
 というような感想ツイートを見て「?」と思っていましたが、こういうことだったのか〜 と。

 こんなに男色度の高い作品とは思っていませんでした。
 ラッコ鍋回(第20話)に温泉回(第21話)それ以外にも色々と。
 私は大好きですが皆さん大丈夫なんですか……?(とTwitterで検索してみたら楽しんでいるようで何よりです)

 杉元は優しく、アシリパさんは美しく、白石は可愛く、みんな愛おしい。
 谷垣、尾形、キロランケも、それぞれ異なる色気があって良いですね。

 原作も読んでみたいけど、漫画は置く場所がなぁ〜
 物語はまだ完結していないので、最後までしっかりアニメ化されますように。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 13:02| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

2019年06月03日

アニメ「ゲゲゲの鬼太郎(第6期)」感想

 2018年4月から放送している鬼太郎の、第1話から第56話まで、dアニメストアで一気に見ました。

 私はねこ娘が大好きで、子供の頃にやっていた第3期の作品では、鬼太郎がユメコちゃんのことばかり心配するのがイヤだった(ユメコちゃんは第3期にだけ登場する人間の女の子です)
 第6期のねこ娘はモデル体型と美貌を手に入れ、
「これで人間の娘にも負けない! やったー!!」
 と思って見ていたけれど、鬼太郎はねこ娘の容姿なんてどうでも良いって感じですね。

 どんな姿で描かれていても、ねこ娘は鬼太郎のことをいつも思っているし、とっても良い子なんですよ……! 幸せにしてあげて鬼太郎……!!

 印象的だった回を中心に感想を。

☆第7話「幽霊電車」

 最初「?」となる場面がいくつか続き、最後に「そういうことだったのか!!」と。
 構成が上手かった。
 この電車に乗せるべきブラック企業の社長、いっぱいいそうですね。

☆第20話「妖花の記憶」

 第二次世界大戦の南太平洋での戦いを扱っていたのが良かった。

まなちゃん「日本が一方的に攻められて負けた、みたいに思ってた」
目玉おやじ「日本も他の国に攻め入り、戦ったりしとったのじゃよ」

 大事なこと言ったー!
 日本で戦争の話というと、被害の話になりがち。
 攻撃した記憶は、攻撃された記憶以上に、人を傷付けるのだろうか。

☆第30話「吸血鬼のハロウィンパーティー」

 ねこ娘と、ねこ娘のコスプレをしたまなちゃんが一緒に戦う。
 こういうの、双子コーデというのかな? 可愛い〜!

 敵が女吸血鬼で、血を吸われて吸血鬼にされるのも女だけ、という女の子回。
 百合的妖艶さがあった。

☆第38話「新春食人奇譚 火車」

 56話中一番好きなのはこれ!
 まず死体を食う火車を使ったねずみ男の商売がエグい。
 その後の「これってもしかして、俺たち入れ替わってる?!」展開が楽しい。
 さらに最後の目玉おやじの反撃が斬新!

 新春らしくサービス満点の回でした。
 めでたいのかは不明だが……

☆第38話「雪女純白恋愛白書」

 暑苦しい人間と雪女の恋愛話。
 ゲームで徹夜して戦えなくなる鬼太郎!
 笑える場面やセリフが多くて面白かった。

 ラスボス的存在だった「名無し」の発声が能っぽいなー と思って声優さんを調べてみたところ、担当している銀河万丈さんの趣味が「謡曲(能の中で謡われる音楽)」で「やっぱり!」となった。
 古典芸能の技術が現代の表現に力や深みを与えることが多くある。
 シン・ゴジラの動きの元になった狂言の野村萬斎、君の名は。の三葉の舞を振り付けた歌舞伎の中村壱太郎、等々。

 古くからある芸術は、たとえ商業的に成り立たなくなったとしても、未来の表現の幅を狭めないために大事にしなければいけない、と改めて思った。
 それが文化の厚みというものだ。

 ねずみ男の商売が上手くいっていると、その後転落することも含めて、妙に嬉しくなってくる。
 何でしょうね、あのワクワク感。

 おいしい話を見ても、裏にねずみ男(というか、ねずみ男のようなよこしまな気持ち)が存在するような気がして、近寄れなくなった。
 妖怪やお化けの話には「恐れること」を教える効果があるんだな、と。

 他には、すねこすりの話が切なかったり(第6話)人間のような姿に変身した目玉おやじが格好良かったり(第14話)鳥取の境港と大山が舞台の話があって、もう一度行きたくなったり(第16・17話)その大山の烏天狗が恋をして修行に身が入らなくなるのが可愛かったり(第32話)あずきを食べたくなったり(第31話)泥田坊の話で何が「正しい」のか分からなくなったり(第54話)とにかく大好きな妖怪たちの活躍を満喫しました。

 全体として、泣かせる人情ものや戦闘シーンより、現代の問題を取り入れた展開や、笑える話が私の好みに合っていて良かったです。
 エンディング曲の一つ「GET A NOTE」が気に入って買っちゃいました。
 鬼太郎の放送はまだ終わっていないので、続きも楽しみ♪
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:00| 映画・映像 | 更新情報をチェックする