2021年04月30日

オカワダアキナ「ミントマイナスマイナス」感想

 しばらく小説を読んでいなかったので、まず「小説を読んでいる」という感触にじーんとした。
 うんうん、エッセイとは違うこの感じ。私がいる「この世界」そのものではなく、現実世界を一度心に吸い込んで、言葉によって組み立て直した世界。「小説で描かれる世界」は「この世界」より小さく、強固で、元気がないと私はそこに入ってゆけない。

 冒頭、
「年寄りは導火線が短くよくわからないことで急に腹をたてる」
 という文章で笑ってしまった。うちの「ママ氏」もそんな感じなので。
 次にそういうことがあったら「今日のママ氏はなんだか元気なんだなあ」と思うようにします。

 久々におかさんの文章を読む喜び。
 彼女は本当に世界をしっかり見ている。
 私が単に「デカい建物」と認識して終わらせてしまうようなものの、色や手触り、におい、その建物が過ごした年月、そこにいた人々、行われた物事まで、細やかに感じ取っている。

 曖昧なものへの誠実さも、彼女の文章の特長だと思う。
 たとえば自分の欲望の不確かさについて考える場面。
 自分の欲望はどこから来たのか、自分にとって何が自然なのかと考えるが答えは出ず、さらにその疑問が薄れるところまで書く。

 心の中のモヤモヤを言葉にするのはすごく難しい。
 言葉にした途端、モヤモヤは明確になり、それはモヤモヤではなくなってしまう。
 おかさんはモヤモヤの元の形を壊さないよう気をつけながら、主人公の感情の振幅に言葉を与えてゆく。

 友だちとの距離についての話もそうだ。
 好きだから会う、嫌いだから会わない、だけでは説明のつかない人間関係の微妙な側面を、主人公の他者への視線によって表現している。
 ああ確かに、私も好き過ぎる人とは長く付き合えなかった。
 欠点を冷静に見られる相手とだけ、連絡を取り続けている。

 鹿の角とドローンの骨組みが枝を伸ばし、団地、コンテナ、倉庫、箱型ロボット、ベール(荷物を圧縮して梱包したもの。ここではサイコロ状の服の塊)など、四角いものが次々登場し、その間を川や髪、風と息が流れる。いくつかの主題が変奏されてゆくさまが、音楽のようでもあり、絵画のようでもあった。

 おかさんの文章についての文章を書くのは楽しいなぁ!
 もしかしたら私はおかさんがこの小説で伝えたかったことを全く読み取れていないのかもしれない。
 核心に辿り着けない私にがっかりしただろうか。
 かえってホッとしたかもしれない。
 私たちは今、すごく疲れているから。

 この感想を書いて「小説読みのリハビリ」が出来た。
 それは病気で弱った私にとって、想像以上に大切な感覚だった。
 ありがとう。
 
※黄色い文字の部分は本文からの引用です。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:02| 読書 | 更新情報をチェックする

2021年04月29日

集中できない

夕御飯のおかずがなかなか決まらないので、今日聴いている曲を貼り付けますね。

Inspiración de Cachao  Andy Gonzalez
History Maker  DEAN FUJIOKA
ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 作品83《戦争ソナタ》第3楽章  小曽根真
Answers  mol-74
祝祭(Movie edit) feat.三浦透子  RADWIMPS
グランドエスケープ(Movie edit) feat.三浦透子  RADWIMPS
I Want You  Savage Garden
BUNKA  U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESS
You Only Live Once  YURI!!! on ICE feat.w.hatano
I Want You Back (Single)  ジャクソン5
この素晴らしき世界  ルイ・アームストロング
衝撃  安藤裕子
Salut d'amour,Op.12  五嶋みどり&Robert McDonald
赤い電車  くるり
Rain  秦基博
格好悪いふられ方  大江千里
Indoor Voices  大江千里
Wallabee Shoes  大江千里
Jubilee  土岐麻子
The Girl In Byakkoya  平沢進
Yuri on ICE  梅林太郎
映画"王様とスケーター2"より「Terra Incognita」  松司馬拓 featuring U-zhaan

さて、夕飯何にしよう……
posted by 柳屋文芸堂 at 14:31| 音楽 | 更新情報をチェックする

2021年04月14日

佐野洋子「役にたたない日々」



佐野洋子さんのエッセイ、初めて読みました。
迫力があった。

気に入った部分を書写。
万年筆はラミーサファリEF、インクは色彩雫シリーズの山葡萄。

サファリに色彩雫を入れるとすごく書きやすい!
ラミーが出している純正インクより書きやすい!

万年筆とインクの相性って面白いね。
個体差や字幅にもよると思います。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 13:27| 読書 | 更新情報をチェックする

2021年04月10日

小川洋子・平松洋子「洋子さんの本棚」



小川洋子・平松洋子「洋子さんの本棚」から印象的だった部分を。
万年筆は賀茂なす、インクは桜森です。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 14:25| 読書 | 更新情報をチェックする

食事は一人でしよう!

コロナは会食で感染しやすい、とこれだけ分かってきたにもかかわらず、
「食事は一人でしよう!」
と呼びかけられないのが不思議でしょうがない。

もちろん好きな人とおしゃべりしながらの食事は楽しい。
でも、好きなこと(本を読む、アニメを見る、など)をしながら一人で食事するのもけっこう楽しいと思うのだ。

一人で食事をするのは寂しく、あまり良くないこと、という価値観が強くあるように感じている。
もうコロナの感染拡大が始まって一年以上経ったんだよ?!
価値観を変えなければ、私達はコロナの恐怖とともにずるずる過ごすはめになる。

外食産業だってお一人様がたくさん来ればつぶれないだろう。
お酒の量は減るかもしれないが、客の滞在時間が減って回転率が良くなるのではないか。

一人の食事は全然悪いことじゃない。
むしろリラックスする良い機会、と主張したい。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 14:04| 社会 | 更新情報をチェックする

2021年04月07日

SUNDAY’S POST ゲスト:文房具専門店「カキモリ」

ラジオ番組の「日本郵便 SUNDAY’S POST | TOKYO FM | 2021年4月4日(日)放送分 」

カキモリさんのインクの話、素敵だった〜!!
ただ一色の「色」が、思い出や風景、空想を表現できるんだなぁ〜

TOKYO FM以外でも、全国でやっている番組みたい。
ラジコで「日本郵便 SUNDAY’S POST」を検索すれば地元の放送局が出てくると思います。
インク好きの方はぜひ聴いてみて!
 
posted by 柳屋文芸堂 at 12:20| ラジオ | 更新情報をチェックする

2021年04月03日

春の花

桜はだいぶ散ってほとんど葉桜になってしまったし、花水木が咲き始めているし、
ツツジはつぼみがちらほら出てきたし、今年は花の進みが早いね。

今うちの近所で一番見頃なのは、チューリップかな。
小学校の花壇を思い出します。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 10:04| 季節 | 更新情報をチェックする