2010年04月11日

水戸コミケ「美味しい!」旅行記(イベント編)

水戸コミケ「美味しい!」旅行記(観光編)からの続き)

3/21 7:00 起床
 旅行中にしてはよく眠れた。
 前の日いっぱい歩いたのが良かったのだろう。
 カーテンを開けると……

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 雨だ−!!
 テレビをつけてニュースをチェック。
 関東の天気は大荒れで、交通機関も乱れまくっている。
「寝ている間、風の音がすごかったもんね」
「そういえばそうだった」

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 朝食を食べている間も、雨は激しく降り続けている。
「やまないね」
「みんなここまで来られるのかなぁ?」
 今回は「まちおこし」がテーマなのに、天候のせいで参加者が少なくなってしまったら、本当に寂しい。
 やきもき、やきもき…… しつつ、カリカリベーコンなどを食べる。
 美味っ
 自分たちは会場のすぐそばにいるから、のんきなものだ。

9:00 ホテル出発
 まず、水戸駅に向かう。
 昨日は見るだけだった「milsta(ミルスタ)」に寄るためだ。
 ここは茨城県産の牛乳や乳製品を販売しているミルクスタンド。
 私はビン牛乳を注文した。
 店員さんが、その場でポコッとふたを開けてくれる。
「美味しい!!」
 新鮮なせいだろうか、スーパーで買う紙パックのものと、味が違う。
 キューッと一気飲み。
「もっと欲しい…… でも、お腹壊すのが怖い……」
「やめときなさい」
 気持ちとしては、1リットルぐらい飲みたかったです。
 
 駅にはちらほらお仲間らしき人がいたが、数は多くない。
 何しろ電車(常磐線)が止まっているのだ。
「水戸にオタクが届いてないよ!!」
 うーん、うーん、どうにかして〜

 水戸の街が、コミケのためにどう変わったのか見るために、徒歩で会場に向かう。
「雨が上がって良かったね。ダメならバスにしようかと思ってた」
「私も、傘差して荷物引くのはイヤだなぁ、って考えていたんだよ」

 歩いているうちに……
 おっ?

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 おおっ?

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 晴れてきたー!!

 楽しみにしていたスタンド花は、雨と風を避けるために、ほとんどが室内に仕舞われていた。
 しかしこの天気なら、これから飾ってくれるだろう。

 会場である伊勢甚泉町北ビルに近付くと……
 ん?
 道路を挟んで目の前にある京成百貨店に、人だかりが出来ている。
「コラボ商品、もう売ってんじゃん!!」
 時計を見ると、9:30
 サークル入場が締め切られるまで、まだ時間がある。
「ここで買っちゃおう!」
 昨日の夜書いた、どれを何個買うかの表をチェック。
 私がレジの列に並び、ちかさんが商品を取りにゆく。
 しばらくして戻ってくると…… ものすごい量だ。

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↑会場内に入ってから並べて撮影したもの

 列の九割以上を占めるのは、お兄ちゃんたち。
 彼らにも全く負けていない。
 ふははは!

「ここに無かったのは?」
「お弁当(やっぱ おにぎりだっぺよ!)と泉ちゃん(干しいも)」
「おお〜 ほとんど買えたじゃん! その二つは開場の拍手の後に買いに行けばいいよ」
 動き方が決まって、やれやれだ。

 ワッペンシールになっているサークル通行証を胸に貼り、会場へ。

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↑シールを手に持つだけじゃダメ。ちゃんと貼らないと入れてくれない。

 会場は、百貨店→ショッピング街→廃墟ビル という切ない歴史を持つ場所で、過去の栄華(?)を偲ばせるものがあれこれ残っています。

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↑魚売り場だったのかな?

 レジなんかもそのまま置いてありましたね。
 そしてあちこちに、
「せめても!」
 という感じに紅白の幕が張ってある。
 めでたいんだか、めでたくないんだか。

 私たちのスペースは2階。
 今回、エレベーター&エスカレーターは使えず、階段のみ。
 そこまで復旧させるのは難しかったんでしょうね。
 下の階の配置になって良かった。

 本を並べ、見本誌を出し、11:00開会。
 拍手〜!!
「いってらっしゃ〜い」
 ちかさんを送り出す。
 いつもなら、自分のための本を買いに行くのに、今回の目的は二人分の干しいも。
 ごめんよ〜 よろしく〜
 
 開場したと言っても、スペースの前に全然お客が来ない。
 常磐線が止まり続けていて、オタクの運送がストップしたままなのか?
 単にうちの人気が無いだけならいいんだけど……(良いのか??)

 本を売ることはもちろん、チラシを配ることさえ出来ないまま、ボーッと数十分。
 ちかさんが戻ってきた。
 手には泉ちゃんを抱えている!!

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「ありがとう〜! 混んでた?」
「レジをやってるのが若い女の子でさ、ドジっ娘なんだか売るのがすごくゆっくりで、列がなかなか進まなかったよ……」
 干しいもを売るドジっ娘、ってポイント高いのでは?
 たぶん、普段のお客さんはおばあちゃんがメインで、速度を求められることってそんなに無いんじゃないかな。
 慣れない大勢のお客さんに、てんてこ舞いするドジっ娘……
 下町育ちで気短なちかさんはちょっとイラッとしたようですが、私は可愛い話だな〜 と思いました(頼んだ方は勝手です)

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↑お弁当も売り切れてなくて良かった。イラストが面白い。

「これで買いたいものは全部買えたね!」
 水戸コミケでやるべき事は全て終了! みたいな気分だった(何しに来たんだ)
「ピンバッチももらって来たよ」
「あーっ、スタンプラリー! 忘れてた!!」
 せっかく前日頑張ってあちこち回ったのに、最後の一個を押せないんじゃ悔いが残る。
「ちょっと行ってくるよ」
「いってらっしゃ〜い」

 会場を出て、南町自由広場に向かう。

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↑スタンド花が道に並ぶ

 地方都市のありふれた風景。
 その中にあって、何故か執事(のコスプレをした人)とすれ違う。
 イバライガーとその仲間たちと一緒に歩道橋を渡る。
 水戸の街全体が、白昼夢のようです。

 街頭放送もコミケバージョン。
「泉町会館ではイタダコの展示……」
 イタダコって何? 板ワサみたいなもの? 美味しそう!
 と一瞬思いましたが、ちゃんと脳内で「痛凧」と変換されました。
 「痛車」の凧版、美少女キャラクターを描いた凧ですね。
 私と同じような勘違いをした一般市民も、いたのではなかろうか。
 (食いしん坊過ぎ?)

 私やちかさんがオタク文化にハマり始めた頃(20年前)、コミケというのは、非常に密室めいた雰囲気を持っていた。
 その頃だって十分巨大で(会場は幕張メッセ。でも全館じゃなかった)その後どんどんどんどん参加者は膨らんでゆき(現在は東京ビッグサイト全館を3日間借り切って、まだ足りない!)……
 それでもコミケは「密室であること」を頑なに守ろうとしているように見えた。

 エロとかパロとか、法律的に微妙なものを扱っているせいもある。
 でもそれより大きかったのは、参加者たちの、
「自分たちは、人に言えない、恥ずかしい趣味を持っている」
 という意識ではなかろうか。
 「痛車」「痛凧」「腐女子」といった自虐的な言葉にも、それは表れている。

 私はオタク文化の中心から少し外れた場所で、20年間眺め続けて思うのだけど、この趣味はそんなに恥ずかしいものだろうか。
 確かに玉石混淆なところはある。
 でも、その中で切磋琢磨し、人気を勝ち取っていった同人作家さんの腕前は、熟練の職人の域だ。
 細部まで細やかなそのラインを、私は素直に、美しいと思う。

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↑自宅で開けた「うめ物語」(梅酒。コラボ商品の一つ)

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↑水戸の伝統工芸品、水府提灯もコラボ商品に

 水戸の街にオタク文化が解き放たれて、私の一部分も自由になったような、清々しい気持ちになりました。

 南町自由広場で、スタンプラリーの最後のスタンプを、ポン!

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↑5個でOK 6個だとポスターがもらえる

 実は私、羽後町の美少女米をDちゃんの実家へのお歳暮にしたことがあるので(美味しかったそうですよ!)そのイラストを描いた西又葵さんのピンバッチに手が伸びた。
 でも、ハッとする。
「こっちはお兄さんたちのために取っておいた方が良いですか?!」
「いえ、作った数が多いので、むしろこっちにしてください」
 うーむ、やはり最初から「男子が多いイベント」として、あれこれ準備しているんですね。

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↑ピンバッチ。左はちかさんのもらったもの。
 女子向け、男子向けですな。

 コラボ商品のほとんどはまだ売っていたが、「ほしいも泉ちゃん」だけは完売していた。
 噂のドジっ娘(?)らしき人が、がらんとしたテントに立っている。
 干しいもがこんなにバカ売れするなんて、予想もしなかったに違いない。

 会場で食べようと「黄門漫遊」を買い、

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↑これ

 来た道を戻った。

 即売会会場へは、どうも正面からだと入れないらしい。
(最後まで入り口・出口をしっかり把握出来ないままでした)
 昨日も見た、歌謡曲をかけているお店の前を通る。
 今日は道沿いにテーブルを出して、コミケ客のために食べ物を売っているようだ。
 
(余談:私は2回前を通っただけですが、水戸コミケ2日目、ここで伝説が生まれたようです。
 「大沢精肉店まとめ」
 水戸コミケ最大の心温まる話。
 しかしまあ、男ってほんと肉が好きだな)

 会場の裏側に回ると……
 ん?
 も、ものすごい行列!
 人、人、人、人!!!
 うわぁ〜
 ま、いつものコミケと同じなんですが。

 自転車に乗った地元の人が、びっくりして警備員さんに聞いている。
「いったい中で何をやってるんですか?!」
「即売会、らしいですよ……」
 警備員さんもよく分かってないらしい。
 しゃしゃり出て説明した方が良かったかしら。

 従業員出入口のような所でワッペンを見せると、列に並ばず入れた。
 何も考えずに会場から出てきてしまったけれど、サークル通行証がなかったら危うく戻れないところだった。
 いやはや。

 自分のスペースに行くと、おお!
 人がいっぱい歩いている!
 でも歩いているだけ!!
 会場全体が沸騰したお湯みたいになっていて、とにかく大勢の人たちがぐるぐるぐるぐる通路を巡っている。
 じっくり本を見る雰囲気じゃない。

 そうなることは何となく予測していたので、こっちもひたすら宣伝に力を入れる。
 チラシ28枚、ブログのURLをシールで貼ったポストカード119枚を配りました。
 効果あったのかな?
 水戸コミケで柳屋文芸堂を知り、ここを見てくれている人、います?

 ちなみに、本は二冊しか売れませんでしたよ……
 はははは〜

 印象的だったやり取りを一つ。
 おそらくコミケ初体験と思われるおじさまが、うちの本を見て、
「漫画でもアニメでもないじゃないか!」
「そうです。この辺りにいる人たちはみんな、自分で考えて書いた、小説や詩を売っています」
 とっさにしてはしっかり答えられたぞ、と自分では思ったのですが、おじさまは不思議そうな顔をしていました。
 
 確かに、コミケだけでもよく分からないのに、
「漫画とアニメの祭典で小説を売る人」
 なんていよいよ「???」だよね〜
 でもモグリじゃないんですよ。
 我々はコミケ内の誇り高き少数民族、創作文芸ジャンルなり!
 色んなものを受け入れてくれるふところの深さが、コミケなのです。

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↑会場では、米沢さんが。泣いちゃうじゃないの!

 今回、ちょっと寂しかったのは、サークルカットとポスターに入れた「GR」という単語に反応してくれる人がいなかったこと。
「僕も(私も)GR DIGITAL持ってます!」
 という人が来てくれると嬉しいなぁ〜 と思っていたのですが。
 オタク率低いのか、GR DIGITALユーザー。
 一眼レフを首から下げてる人はいっぱいいたんですけどね〜

 そんなこんなでワイワイしているうちに、PM4:00閉会。
 お疲れ様でした〜!
 こんなに本が売れなかったのに、こんなに楽しかった即売会は、初めてだ(それで良いのか?!)

 駅に向かう道では、初音ミク(リン・レン? まあとにかくボーカロイドだ)が水戸市歌を歌っている……
 最後までオタクを熱くもてなしてくれた水戸市に感謝。

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 駅では、再び「milsta(ミルスタ)」へ。
 ちかさんの買ったアイスクリームを少し分けてもらう。
 これも美味い!!
 本当は大瓶入りの牛乳を買って帰りたかったけど、日本酒と梅酒が重くて断念しました……

 梅干しや納豆など普通のお土産も買い、行きと同じように快速で帰宅。
 午前中のダイヤの乱れの影響で、特急も快速も遅れていた。
 そう言えば、ブロックノートに、
「(常磐線が止まったせいで)千葉から来るのに5時間かかった」
 と書いていた人がいたなぁ。
 みなさん、本当にお疲れ様でした!!
 
 水戸コミケ、本当に思い出に残ることが多くて、やたらに大量の文章を書いてしまいました。
 ブログでは読みにくかったですよね。
 ごめんなさい。
 ここまで付き合ってくださった方(がもしいたら)ありがとうございました。

 そうそう、さんざん振り回してしまったちかさん。
 またいっぱい迷惑かけるから、よろしくね〜♪

(水戸コミケ「美味しい!」旅行記 おわり)
posted by 柳屋文芸堂 at 22:32| 同人活動 | 更新情報をチェックする