2010年05月06日

和泉式部日記

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 田辺聖子「文車日記―私の古典散歩」で紹介されていた「和泉式部日記」を読んでみました!
 角川ソフィア文庫の「ビギナーズ・クラシックス」というシリーズの一冊です。

 原文を少しずつ区切って、
 現代語訳→原文→解説、現代語訳→原文→解説……
 と進んでゆきます。
 ストーリーの面白さと、原文の美しさがしっかりと感じられて、とても読みやすかったです。

 古語や古典文法についてはほとんど触れていません。
 細かい部分まで理解したい人には不向きかも。
 味わうだけなら十分な内容だと思います。
 まずは楽しまないとね!

 和泉式部「日記」となっていますが、これは明らかに「小説」です。
 本人(和泉式部)の出て来ない場面もけっこうあるし。
 客観的な描写が多いため、
「和泉式部ではなく、別の作者が書いたのでは?」
 という説もあるらしい。
 「ストーリー展開」と「場面転換」があるから、現代小説のように読めるのが良いです。

 どんな話かというと……
 尾崎豊の「I LOVE YOU」みたいな感じ。
 皇族である敦道親王との、身分違いの恋(※和泉式部は地方官の娘)
 さらに、敦道親王には奥さんもいる。
 当然、周囲は大反対。
 そんな中、和歌や手紙でかけ引きしながら、結ばれ、燃え上がってゆく二人。
 キュンキュンです。

 和泉式部は「恋多き女性」「浮気女」「スキャンダラス」等々、派手な印象があるけれど、単にモテ過ぎただけなんじゃないかなー
 何しろ千年後の古典の苦手な女まで虜に出来るんだもの。
 同時代の男性は、みんな彼女の紡ぐ言葉に夢中になったのではなかろうか。
 いつの時代も、モテる女は妬まれるもんね(私は経験無いが!!)

 この日記を読む限り、和泉式部は恋愛に対して真面目な人のように感じました。
 
 読んでいる間ずっと、山田詠美の「ベッドタイムアイズ」という小説に出てくる、
 Too sweet to be forgotten.
(忘れ去られるには甘過ぎるのよ)
 というセリフが心に浮かんでいた。
 そういえばこの作品も、出た当時はスキャンダラスと言われていましたね。
 
 和泉式部も山田詠美も「Crazy about you」の経験に真摯に向き合い、文章にしただけなのに。
 噂に惑わされない人間だけが、美味しい言葉を食べられる。

 和泉式部のおかげで、古典の原文が身近になった気がします。
 「ビギナーズ・クラシックス」の他の作品も読んでみようっと♪
posted by 柳屋文芸堂 at 00:05| 読書 | 更新情報をチェックする