でも今回は、
「構図について学ぼう!」
と少し意識しながら作品を見てみました。
何しろあの「冨嶽三十六景」がぜーんぶ揃ってるんだから。
いやほんと、北斎くらい構図のかっこいい画家って、他にいないと思うのです。
まるで複雑な数式に導かれるグラフのよう。
彼だけが知っている方程式があったんじゃないかしら……
うっとり(←やっぱりうっとりしてる)
人間の描き方も、活き活きしていて素晴らしい。
完璧な構図の中にきっちり組み込まれていながら、絵の部品という印象は微塵も無い。
疲れて座り込んでいる男の人の絵なんて、
「ハーッ(くたびれた!)」
というため息が聞こえそう。
見ていると、思わず微笑んでしまう。
勉強のつもりだったのに、結局普通に楽しんじゃったなぁ。
ふと、
「北斎がカメラを持ったら」
と考えてみました。
最初のうちは、
「構図の研究にこりゃいい」
と散々使って、でも最終的には、
「自分で描いた方が早えや」
とポイっと捨ててしまうんじゃないかしら。
同時代の絵師の中では圧倒的に写真的な。
でも写真で実現するのは不可能な、非現実的構図。
アニメが好きな人とか、意外と楽しめるんじゃないかな。
直前、直後の動きが即座に思い浮かぶし。
そうそう、杉浦日向子の漫画「百日紅」を読んでから行くことをおすすめします!
「天才北斎」ではなく「人間北斎」を感じながら作品を見られるので。
みっともないくらい、生と芸術に執着するんだよね……
原宿駅から徒歩5分の太田記念美術館で、7月25日まで開催しています。