2010年10月02日

細江英公・人間ロダン展

 銀座RING CUBEで開催中の「細江英公・人間ロダン展」に行って来ました。

 まず思ったのは、
「彫刻をこんな風にエロく撮って良いんだ!」
 ということ。
 どの写真にも、見る者の度肝を抜くようなエロさがあります。

 他のお客さんも、
「すごい……艶めかしい……」
 と唸るようにつぶやいていた。

 次に考えたのは、
「私が『エロさ』として受けるこの感覚は、いったい何だろう?」
 ということ。
 エロいといっても全く下品ではない。
 むしろその反対で、他では見たことがないほど、高尚な世界が写っている。

 私の心をざわめかせているのは、性欲なんだろうか?
 それとも何か別の欲望なんだろうか?

 今、「性欲」を辞書で調べたら、「肉欲」という単語が出て来た。
 うん、こっちの方が近い気がするな。
 しかしそもそも、何で肉体を見るとドキドキするのだろうか?

 肉体なら何でもいいという訳じゃない。
 そこには「美」が宿っていなければ。
 逆に言うと「美」さえそこにあれば、人間の肉体でなくても良かったりする。

 肉のような何かに欲情する私。

 細江英公は、三島由紀夫の裸を撮影した写真集「薔薇刑」を出した人です。
 出版当時、
「小説家をこんな風にエロく撮って良いんだ!」
 と世間がそろって膝を打ったのでしょうか。
 反社会的でありながら、その完成度によって誰にも文句を言わせない。
 
 崇高なエロさ…… いや「肉体」と「肉体への欲望」は、もともと崇高なものだったのでは、と思わせる力。
 細江英公だけが作り出せる世界だ。

 写真って、本当に不思議。
 現実は一つだけなのに、切り取り方は無限にあり、写真家はその中から最高のものを選び出す。
 その選択は時に、人々の価値観をひっくり返す。

 この展示は10月17日まで。
 紹介ページはこちら

 「薔薇刑」も見る機会があればぜひどうぞ。
 私は東京都写真美術館の図書室で立ち読みしました〜
posted by 柳屋文芸堂 at 03:31| 美術 | 更新情報をチェックする