2011年04月30日

来るべき世界

 Dちゃんの部屋で立ち読みしていたら、こんな文章を見つけた。

「早くスイッチを切ってくれ」
「何が悪いんですかな わしは人類の危機がせまっているから全世界に知らせただけなのだが なぜ悪い」
「それがいかんのです いまの不安な世間へそんな危険きわまる放送なんかしてもらってはこまりますな」
(手塚治虫「来るべき世界」より)


 今の世の中とそっくり!
 こういう状況になるのは、別に今回が初めてって訳じゃないんですね。

「こんなにムチャクチャな(放射性物質による)汚染が広がっているのに、
『大したことではない』
 という論調が多いのは何故なんだろう」
 とDちゃんに言ったら、
「日本人はもともと問題を直視するのが苦手なんだよ。だからこそ、文学の世界で間接的な比喩表現が発達したのだろうし」
 との答え。
 なるほどね。

 物事を明確にして、はっきり、直接言ってしまうと、この国では「無作法」ということになるのだろう。
「そんなことをしたら、相手を傷つけてしまう」
 という優しさなのかもしれない。
 でもこういう非常事態では、アメリカ的にクールに進めて欲しいものです。

 アメリカ政府が事故当初、避難区域を原発から半径80km圏内と決めたことについて、
「福島第1原発2号機の核燃料が100%損傷し、放射性物質が16時間放出されることを想定し、算定した」
 という内容の説明をしたんだよね。
 日本的曖昧表現満載のニュースにうんざりしていた私は、
「このクリアーさが必要なんだよー!!」
 と叫んじゃいました。

1、情報を集め
2、起こるであろう事態を具体的に想定し
3、対策を決定する

 原発事故では1を長々とやっているうちに色々手遅れになった気がします。
 2を発表すべき時に、日本政府は、
「冷静に対応してください」
 ばかり繰り返していた。
 最悪の事態を具体的に説明したら、国民が傷つくとでも思ったのかしら。
 心の傷よりDNAの損傷を心配してください。

 確かにあの時は津波で救助を待つ人も大勢いたし、原発周辺のパニックはなるたけ避けたかったのだろう。
 けれどもう、状況は変わってるよね?
 日本の国土と海が汚染されたことを、しっかり見つめようよ。
 そして後々病人を増やさないように、最善を尽くそうよ。

 小佐古敏荘内閣官房参与辞任のニュース(これ)にため息をつきつつ。
 はぁ〜
posted by 柳屋文芸堂 at 14:08| 社会 | 更新情報をチェックする