2011年06月14日

ディストピアのカプレーゼ

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 伊藤計劃の「ハーモニー」を読んだ後、カプレーゼが食べたくなった。

 そこでわたしは、キアンがじいっとカプレーゼの皿を無表情に見つめていることに気がつく。それは異様な光景だった。まるで皿の底に何かが泳いでいるかのように、じっと視線を据えたまま動かない。どうしたの、とわたしが訊こうとする前に、キアンが口を開いた。カプレーゼの皿に眼を据えたまま。
「うん、ごめんね、ミァハ」
(中略)
 すべてが一瞬のうちに過ぎてゆく。そのあいだ、私は呆然として見つめることしかできない。カプレーゼのオリーブオイルに血が滴り、混じり合うことなく油のなかに広がってゆく。


 けっこう残酷なシーンに使われているのにね(特に「中略」の部分)
 悪趣味かしら。 

 しかしここで主人公とキアンが食べるのは、カプレーゼ以外にない気がする。
 ちょっと気取っていて、健康的で、色彩も鮮やかで。
 本当にぴったり。
 二人がカツ丼を食べていたら、物語は全く違う展開を見せていただろう。

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 カプレーゼ……と言うには粗雑な盛り付け。
 ま、自宅で作る時はこんなもんです。

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posted by 柳屋文芸堂 at 23:37| 料理・食べ物 | 更新情報をチェックする