2011年12月12日

浦安のたんぽぽ

 GR DIGITAL公式ブログのトラックバック企画のテーマは「2011」とのこと。
 今年撮った写真を見直してみて、やっぱりこれかなぁ、と。

R0023826.JPG

 撮影したのは、震災一ヶ月後の浦安。
 たんぽぽのまわりの砂は、液状化で吹き出した泥が乾いたものです。

 あの日の不思議な感覚を今も思い出す。
 見慣れた住宅街のあちこちにヒビが入り、泥と砂が山になっている。
 海の主が目を覚ましちゃったんだ、と思った。
 みんな巨大な生き物の背中だと知らないで、道を作り、家を建ててしまった。
 春のあたたかな陽気の中、ふわわわと暢気なあくびが聞こえるようだった。

 斜めになってしまった三味線の先生のおうちは、秋になって元通りに近い形に戻りました。
 工事の日にちょうどお稽古があり、技術者さんが家の中でバタバタしているから、
「これから(家の沈んだ方を)上げるんですか?」
「ううん。今も上げてる」
「えーっ 乗っかったままでいいんですか、私たち!?」
 「靭猿」の後半、お祝いムードたっぷりの曲を弾きながら、家と一緒に持ち上げられました。

 先生は液状化、私はホットスポット。
 被災しても、東北の被害が大き過ぎて声高に言えない千葉県民。
 静かに悲しみ、静かに怒る。
 
(GR DIGITAL公式ブログ トラックバック企画「2011」に参加)
posted by 柳屋文芸堂 at 23:35| 自然 | 更新情報をチェックする