2011年12月29日

愛国心

 今年は妙に日本人の愛国心が盛り上がった気がします。
 私は日本社会があまり好きではないので(35年住んでいるけどいまだに馴染めない)正直言って息苦しかった。
 何でこんなことになっちゃったんだろう……
 と思っていたら、米原万里さんの文章を読んでハッとした。
 彼女が通っていた、プラハのソビエト学校の話です。

 大きな国より小さな国、強い国より弱い国から来た子どもの方が、母国を想う情熱が激しいことに気付いた。
(中略)
 これは、都会生まれの都会育ちの人間が、自分には故郷が無いと感じているのに対して、地方の小さな村の出身者が絶えず胸中に懐かしい故郷の風景を抱いているのに通じる。
(中略)
 愛国心をかき立てるもう一つの要素がある。それは、故国が不幸であればあるほど、望郷の想いは強くなるらしい、ということだった。
(「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」より)


 なるほど。最近の愛国ムードは、日本が弱っている証拠なのね。
 借金まみれのところに地震が来て、津波が来て、原発事故が起き、ズタボロになった日本。
 そんな状態なのに、いやそんな状態だからこそ、日本人は日本を意識する。

 意識したからには、良いところも悪いところも冷静に見て欲しいな、と思う。
 排他的な愛国心にならないよう、細心の注意を払わなければ。
 他の国を馬鹿にしたって、自国の価値が上がる訳じゃない(むしろ下がるよ)

 この機会に、この国がもう少し住みやすくなりますように。
 人間を大切にする場所になりますように。
posted by 柳屋文芸堂 at 00:38| 社会 | 更新情報をチェックする