2012年02月06日

円城塔の"Your Heads Only"を読むために、1次元セル・オートマトンを描いてみた

 円城塔「Boy’s Surface」の中に収められている「Your Heads Only」という小説の一部分を引用します。

「一時期、物好きな数理屋の間でこんな風に升目を塗りつぶしたり消したりする遊びが、滅多矢鱈と流行したことがある。一九七〇、八〇年代の話であり、その時期に学究生活を送った変わり者の中には変わり者が多く存在する。余程印象の強いものだったようであり、今でも彼らにルール90と話しかけると、自然と何かが笑み零れてくる」

「ルール90は、三近傍セル・オートマトンの規則の中で、それなりに奇妙な振る舞いを見せることの知られた、最も著名なものの一つであり、端正な自己増殖パターンを見せることで知られている」


 私が物理学科にいたのは一九九〇年代の終わりなので、
「ルール90」
 と言われても何のことだか全然分からなかった。
 ネットで調べてみて、
「あ〜 なんかそういうのあったかも」
 と思うくらい。

私「でもさぁ、点々が増えていく良い動画が見つからないんだよね」
D「これ、のりの卒業研究の分野じゃん」
私「まあね」
D「自分でプログラミングしちゃえば?」
私「えー 無理だよ〜 物理もプログラミングも10年以上やってないもん。
 『結局出来上がったのはチャーハンでした』
  になっちゃう〜」

 主婦だもん(←逃げた)

 しょうがないなー と、Dちゃんが貴重な休日を使ってセル・オートマトンのプログラムを組んでくれました!!
 シュトーレンやトンカツだけでなく、オートマトンまで作ってくれるなんて。
 なんて素敵な旦那さんでしょう(うっとり)

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円城塔の"Your Heads Only"を読むために、1次元セル・オートマトンを描いてみた

 初期条件は「白地の中央に一点の黒」のままで、「数字で指定」のところに「90」と入力し、左上の「描画」というボタンをポチッと押します。
「端正な自己増殖パターン」
 を確かめられたでしょうか?

 この小説にはこういう文章もあります。

「特にこれはというものを思いつかない方へ向けては、ルール110などをお勧めしておく。■と□をランダムに配置した初期条件からの時間発展は少しばかり見物である」

 これを確かめるためには、初期条件を「ランダム白黒」の方にして、「数字で指定」のところに「110」と入力し、「描画」ボタンをポチッと押します。
 設定を変えずに「描画」ボタンを何度も押すと、よく似た(でも毎回違う)柄が出てくるのが分かるでしょうか。
「ランダムに配置した初期条件からの時間発展は少しばかり見物」
 という訳です。

 ここまでしないと理解出来ない小説ってとんでもないな!

 初期条件や数字を変えて適当に遊んでみてください。
 IE8とChrome16でしか動作確認をしていないので、うまく動かないブラウザがあったらごめんなさい。

 Dちゃんにはプログラムのお礼にDEMELのチョコレートをあげました。
 バレンタイン用だったのですが、早めに買っておいて助かったぜ……
posted by 柳屋文芸堂 at 23:53| 読書 | 更新情報をチェックする