2012年02月26日

景気のせい?

 「景気」って不思議な言葉ですよね。
「景気低迷による販売不振」
 というような使い方をしますが、物が売れなかったのは本当に景気のせいだったのだろうか。

 たとえば私が同人誌即売会に出て、本が3冊しか売れなかったとする。
 そんな時、
「景気が悪いから本が売れなかったわ〜」
 とは絶対に思わない。

 売れない要因はまあ色々あるのですが、一番大きいのはこの2つ。
「知名度がない」
「『すごく』面白いわけではない」

「私の本、悪くないと思うのに、なんで売れないんだろう……?」
 と考えていたらもうおかしい。
 世の中には面白い本がざっくざっくあるのである。
 だから「悪くない」「ちょっと面白い」くらいでは売れない。

 「すごく」面白い本をコンスタントに出し続け、世間にその名をとどろかせた人だけが、
「売れる書き手」
 になれる。厳しい世界だ。
 だから「景気」なんて曖昧なものを持ち出して言い訳するのは無意味だと、最初から分かっている。

 一般の市場も、同じように厳しい場所なのではないか。
 物はあふれかえっている。
 必要なものはみんなあらかた持っている。
 「悪くない」「ちょっと面白い」くらいでは売れない。

 「景気低迷」なんて言葉を使わずに、
「みんなが欲しがるものを作れなかったので、販売不振になりました」
 とはっきり言えば良いのに。

 原因をきちんと見つめなければ、努力の方向も見えない。
 夏に、
「『暑い』と言ったら罰金!」
 なんて遊びをやるように、経済ニュースで「景気」を禁句にしてみたらどうだろう。

 「景気」という言葉が出てくるたびに、自分で別の理由を考えてみるのも、良い勉強になると思う。
posted by 柳屋文芸堂 at 23:23| 社会 | 更新情報をチェックする