2012年05月16日

音は周波数が小さくなるほど低くなります

 私の声は、女にしてはかなり低い。

 大学で、自分の声の周波数を計測する物理実験があった。
 確かオシロスコープという実験機器の使い方を覚えるのが目的だったと思う。
「あ〜」
 と発声して波形を画面に出し、方眼紙に写す。
 そこから周波数を計算して提出すると、先生は渋い顔をした。

「おかしいですね。間違ってますよ」
「えー どこがいけないんだろう」
「女性の声がこんなに低い訳がない。1オクターブくらい違ってますよ」

 計測はきちんとやれていたし、計算の間違いもないのだ。
 おかしい、おかしくない、と押し問答を繰り返していると、同じクラスのHくんがやって来た。

「先生、その周波数は間違ってないと思います。
 柳田さんの声を聴いて、僕は実験室にダークダックスが来たのかと思いました」

 その言葉で、先生はしぶしぶ私のレポートを認めてくれたのでした。
 なんて親切なHくん。
 何度思い出しても、座布団1枚あげたくなるよ。
posted by 柳屋文芸堂 at 00:03| 思い出 | 更新情報をチェックする