2012年06月19日

志の輔らくご in PARCO vol.9(2004年)

 志の輔のPARCO公演のDVD。
 日本人の行動原理の一つ「悪いな」を茶化しつつ愛おしがるマクラがまず印象的。
 相手を思いやり過ぎて、間違ったこともついやっちゃう、という。

 そのあと続くのは「こぶ取り爺さん」
 日本昔ばなしについて外国人からツッコミを受け、翻訳者の家族が大混乱に……
 というドタバタ劇。とにかく楽しい。
 確かに「こぶ取り爺さん」って変な話だよね。

 次は私がこのDVDで一番見たかった「歓喜の歌」
 ママさんコーラスを舞台にした人情劇で、映画にもなりましたね。
 私も家事をやりながら三味線をやっているので、共感しました。
 社会人になってからやる音楽って、学生やプロとはまた違う切実さがあると思うのだ。
 世知辛いこの世を生き抜くための力を得る手段、というのかな。

 最後は古典落語の「浜野矩随」
 この噺がもうっ 痛かった!!

 浜野矩随は「はまののりゆき」と読みます。
 人の名前ですね。
 小さな彫り物を作る職人さんです。
 父親は名人なのに、息子の矩随は彫っても彫ってもクズばかり。

 見るに見かねた道具屋が説教するんだけど、あまりにも身に沁みたので書き取ってみた。

 お前さん、誰かに頼まれてやってるのかい、この仕事を。
 そうじゃねぇんだろうよ。
 好きでやってんだろ。やりたくてやってんだろ。
 やりたくてやってて腕が悪いたどういうこったい。
 
 腕の悪い職人なんざ死んじまった方がいいやな。
 一生懸命こんなにゴミこしらえて何がどうだっていうんだよ。
 甘えるのはいいかげんにしてくれ。


(話し言葉なので、繰り返しなど省略している部分があります)

 下手クソな小説を何度も何度も賞に送っては落選し続けている私としては、
「はうー!!」
 ですよ。

 修行中の落語家さんも、悶絶するんだろうな〜
 特に「親が名人」の落語家。
 あの人とか、あの人とか……
 うう、想像するのも恐ろしい。

 最終的に矩随も名人になるのですが、その転機となった作品に対して、道具屋が、
「魂が入ってる」
 と言うのです。
 同じ「物」でも、魂が入っていなければただのゴミだし、魂が入っていれば誰もが競って欲しがる。

 魂の入った小説を書くにはどうすればいいのかな……
 なんてことを考えました。
 もちろん頑張らなくちゃダメなんだけど、頑張るだけじゃダメなんだ。

 道具屋のおやじも、良い人のようでちょっと手前勝手でもあり、ステキでした。
 演じる人によって登場人物の性格が変わるのも、落語の面白さですね。
 志の輔が演じる人間は、みんなあったかくて好き。

 このDVD、Amazonでも買えるようです(これ
 他のも欲しいな〜
posted by 柳屋文芸堂 at 10:47| 演劇・演芸 | 更新情報をチェックする