2012年07月15日

村上春樹「1Q84」

 読み終わりました〜 文庫版の方。全6巻です。
 古い外国の長編小説を読む時のような、ゆったりした感覚があった。
 いったい何個「村上春樹的比喩」が出てきたんでしょうね?
 今回一番「大袈裟〜!」と思ったのはこれ。

 彼女はまるでレンブラントが衣服のひだを描くときのように、注意深く時間をかけてトーストにジャムを塗った。(文庫版4巻99ページ)

 文庫版3巻の157〜160ページに、作中小説である「空気さなぎ」についての書評が出てくる。
 これを全巻読了後に読み直し、ゲラゲラ笑った。
 「1Q84」が受けるであろう批判と、それに対する村上春樹の答えになっているんだもの。
 物語の中間あたりにこれを入れておくとは。
 周到だなぁ。

 村上春樹の小説は、夜見る夢に似ている。
 リアルとシュールの混ざり方がちょうどそんな感じ。
 夢は、昼間の記憶を整理するためにある、という説を聞いたことがある。
 ぐっちゃぐちゃの現実を村上春樹は吸い込んで、糸を吐くように物語を紡いでゆくのだろう。
 夢判断をするのは、夢を見た(=小説を読んだ)私たちだ。
 好きなだけ自由に。
 
 オーウェルの「1984年」と「1Q84 」の一番大きな違いは、
「タマルがいるかどうか」
 ではないか。
 とりあえず、私はタマルが大好きです。
posted by 柳屋文芸堂 at 01:51| 読書 | 更新情報をチェックする