2012年08月15日

戦争体験を風化させたい

 毎年書いているような気がしますが、私はこの時期が苦手です。
 ラジオで戦争の話ばかりするから。
「戦争体験を風化させないように」
 なんて言葉が出てくるたびうんざりする。
 忘れるわけないじゃん、馬鹿馬鹿しい。

 ……と思っていたんだけど、ふと気付いた。
「わざわざ言わないと戦争を思い出さない人たち」
 言い方を変えれば、
「戦争を忘れられる人たち」
 が世の中にはけっこういっぱいいるのかも。

 私は母親から東京大空襲の話を、何度も何度も何度も何度も何度も……もう数えるようなものじゃなく全てのものにくっつくような形で常に聞かされて育った。
 コミケに来れば、
「(人が多くても)爆弾が落ちてこないから平気」
 去年の地震も、
「空襲に比べれば大したことない」
 花火大会が始まると、
「空襲を思い出して怖い」
 魂の土台が東京大空襲なのである。

 そんな人に育てられたせいで、私の中にある街も燃えている。
 目の前の街が一見平和に見えるのは、今だけの偶然。
 ……みたいな感覚がある。

 だから友人の、
「昨日、気の合わない人たちと飲み会に行っちゃってさ……」
 という他愛ない愚痴に、
「明日死んじゃうかもしれないのに、そんな飲み会に行って時間をつぶすのはもったいない」
 なんて返してしまう(のりちゃん大袈裟ー! と笑われる)

 戦争を忘れられるなら、それはそれで幸せなんじゃないかなぁ。
 私の中の街は、きっと一生燃えたままです。
posted by 柳屋文芸堂 at 23:13| 社会 | 更新情報をチェックする