2012年09月05日

認知症の人とのおしゃべり

 伯母(大)がまた変なことを言い出したらしい。

「のり子は寂しくて家で泣いてるって。三味線の発表会に出るのに帯も着物も無いって泣いてるんだよ。だから小遣いをやろうと思ってるんだ」

 私が儲かる結末になっているので、私に異議はない。
 しかしリアリティーを重んじる母は、ついこう返してしまった。

「Dくんがいるのに寂しくて泣いてる訳ないじゃない!!」

 そして怒鳴り合いの大喧嘩。
 伯母(大)は自分の妄想を真実だと信じている訳で、否定されたらそりゃ怒るよ。
 認知症の人との会話に、母もいいかげん慣れたらいいのに。

 この妄想の成り立ちが、夜見る夢とそっくりで面白いなー と思う。

「寂しくて家で泣いてる」
 →これは母が私にした、近所の人の話。

「三味線の発表会に出る」
 →これは本当。

「帯も着物も無い」
 →自分では持ってないので、実家から帯と着物を借りた。
  当然、泣く必要はない。

 うわさ話と実際にあったことが混ざっている。
 母も、夢なら奇妙に感じないはず。
 認知症というのは、色々な境界がぼやけちゃうものなんじゃないかなーと。
 素人考えですが。

 リアルであることにこだわらずに、不思議な発言を楽しむことは出来ないだろうか。
 母は幻想小説とかSFみたいなの、全然読まないもんなー(社会派推理小説マニア)
 私なんて、こういうシュールな物語をわざわざ金出して買ったりしているのだ。
 高齢化社会に備えて、前衛文学を読んでおこう!
posted by 柳屋文芸堂 at 00:01| 健康・美容 | 更新情報をチェックする