2012年11月28日

赤い生き物の冒険

私「赤い生き物がいました」
D「彼は何をしているの?」
私「踊ってる」
D「どこで踊っているの?」
私「iPhoneの中。赤い生き物はiPhoneの画面から飛び出してきました」
D「ほうほう」
私「赤い生き物は、台所へ行って遊んでいるうち、流しの横にある謎穴に入ってしまいました。あたりはカビだらけで変な臭いがします。出たくても出口に柵があって出られません。大変だ!」
D「イヤだなぁ……」
(うちの流しには「第二排水口」みたいな穴があるのです。よく洗面台についているようなやつ。掃除しにくいので放置してあるけど、湿気の多い場所だし、中が悲惨な状態になっているのは容易に想像出来る)
私「命からがら脱出し、赤い生き物は食器用洗剤で自分の体を洗いました。すっかり綺麗になってマットの上に飛び降りると、まな板からこぼれた刻みネギを踏んでしまいました。足がヌルヌルしてネギ臭い」
D「あ〜」
私「そのままマットの上を歩いていくと、今度は茹でる前に落っこちた硬いスパゲティが足に刺さりました」
D「痛い痛い」
私「赤い生き物は壁をよじ登り、ガス台の裏っ側を覗きました。『……見なかったことにしよう』」
D「いやいや赤い生き物は別にガス台の裏の掃除をする必要ないんだから、見て見ぬ振りしなくても良いんじゃない?」
私「さらに壁を登って、赤い生き物は換気扇フィルタにぶら下がりました。溜まっていた油が体じゅうについてベタベタします。流しに戻って洗剤で洗っても、ちっとも落ちません。三回洗ってようやくベタベタは取れましたが、洗い過ぎであちこちヒリヒリします」
D「可哀想だなぁ」
私「赤い生き物は乾物入れにもぐり込み、片栗粉の袋に飛び込みました。キュッキュッ! 全身真っ白です」
D「その後、溶き卵つけられて揚げられそうになるの?」
私「そうそう。巨大生物のり子は黄色くなった赤い生き物を菜箸でつまみ上げ、ニターッと笑うのです。赤い生き物は必死で逃げきり、夜の川越をとぼとぼ歩いていました」
D「何故急に川越! 遠いよ! とぼとぼし過ぎ!」

 いい歳して寝物語をせがまないで欲しい。しかも、
「ツッコミで盛り上がっちゃって眠れない」
 とか文句言わないでよねー
posted by 柳屋文芸堂 at 23:31| 与太話 | 更新情報をチェックする