2013年03月20日

歌舞伎鑑賞について感じたこと

 歌舞伎の感想をネットで検索すると、ほとんどが役者の話で驚いた。
 格好良いか綺麗か。上手いか下手か。
 もちろん歌舞伎はスターを何より大切にする芸能で、役者が輝く名場面だけを抜き出して上演したりする。
 音楽を聴きに行く、という私の鑑賞方法は異端で極端だ。

 でも「歌舞伎鑑賞=役者の品定め」と思い込んでいる人が多いとしたらもったいないと思う。
 歌舞伎を形作っているのは役者だけじゃない。

 化粧、衣装、髪型、舞台美術、
 セリフ、ストーリー、音楽、音楽の歌詞、
 お客、掛け声、弁当、お土産、モナカアイス……

 ああ、こんなに素敵なものがいっぱいで、どこに集中したら良いの。
 華やかなもの、美しいものが受け止めきれないくらい贅沢に注ぎ込まれて、自分という小さな器からあふれ出してしまう。
 絢爛豪華な過剰さに、目を回してこその歌舞伎だろう。

 ファンが人気役者ばかりに注目するから、出演時間が増えて過労、ということもあるかもしれない。
 チケット売れないと困るもんね。
 もしそうだとしたら、歌舞伎の総体を愛することが、役者の健康につながる。
 みんなもっと長生きして欲しいじゃないか。

 歌舞伎で役者だけ見るなんて、バンドのライブでボーカルの声だけ聴くようなもの。
 ベースもいます。ドラムもいます。
 拍子木を打つ人もいます。
posted by 柳屋文芸堂 at 02:36| 演劇・演芸 | 更新情報をチェックする