2013年05月09日

悪口が言いたい、という欲望

 職場の同僚の性格がどうしても自分と合わなくて、久々に会った友人に、
「一緒に働いている人がほんとイヤでさー」
 と悪口を言うのは、私にも理解出来るのですよ。
 仕事というのは簡単に辞められないし、空間的にも逃げられないことが多いから。

 でもね、
「見なくても良いものをわざわざ見て悪口を言う人」
 というのが存在する。
 それもけっこう大量にいるみたいだ。

 10年近く前の話。
 私はAさんが運営するホームページの掲示板に書き込みをした。
 するとBさんから、こんなメールが届いた。
「2ちゃんねるに柳田さんを批判する文章が書き込まれてますよ」

 教えてもらった場所を見てびっくり。
 そこはAさんの悪口を書き込むために立てられたスレッドだった。
 Aさんの日記や掲示板を一字一句もらさず読んで、それをこき下ろす。
 私はとばっちりのような形で「痛い奴」とか何とか言われていたのだった。

 私は自分が批判されたことよりも、そのスレッドの存在に衝撃を受けた。
 この人たちは、Aさんが好きなの? 嫌いなの?
 好きなら褒めれば良いし、嫌いなら見なきゃ良いじゃん!!
 可愛さ余って憎さ百倍みたいなもの?!

 たとえばこの世にAさんのホームページしか娯楽がない、というのなら分かるのです。
 でも10年前だって面白いページは色々あったし、ネット以外にも読書とか、観劇とか、友達とおしゃべりとか、世の中には楽しいことがいっぱいある。
 選び切れないくらい多くの選択肢が用意されている。

 にも関わらずそのスレッドの住人は、
「別に見る必要も会う必要もないAさんの悪口を言い続ける」
 という行為を優先してやっているのだ。
 た、楽しいんだね、きっと……

 私は何か悪口を言いたくなるような状況に追い込まれたら、なるたけそこから離れるように努力する。
 自分を不愉快にしたくないもの。
 しかし「悪口が言いたい、という欲望」の強い人は、悪口を言いたくなる場所に自ら近づいていくのだろう。

 その欲望が満たされた時、その人は幸せな気持ちになるのだろうか?
 そもそも幸せなんて求めてないのだろうか?

 とりあえず、被害者であるAさんはうんざりしていたと思うな。
 そのスレッドを知っていたか知らないけど。
 私は人間の黒さがけっこう好きなので、ちょっと得した気分でした。
posted by 柳屋文芸堂 at 23:51| ネット | 更新情報をチェックする