2013年07月15日

九井諒子「ひきだしにテラリウム」感想

 九井さんのブログを毎日チェックしているのに、3月に発行されたこの本の存在を全く知りませんでした。
 宣伝して、九井さん……

 ショートショートが33個も入った贅沢な作品集。
 短い分、九井さんが得意とする「生活感あふれるシュールさ」がよく出ています。
 一番彼女らしい、と感じたのは「記号を食べる」
 「まる」「さんかく」「しかく」を食材にし、その味を最も引き出すような調理をして食べる、という話。

 「まる」は下味を付けてフライパンでちわーっと炒め、
 「さんかく」は熱々のところを角からパクッと。
 「しかく」はお取り寄せで発泡スチロールに入ってひんやりと届くのだ(このワクワク感!)

 龍の料理も美味しそうだったなぁ。

 叩いた筋や肉に血
 ねぎ しょうが 椎茸などをくわえ
 団子にする
 厚めの皮に包んで
 あっさりとしたスープで茹でる


 龍の肉って絶対クセが強いと思うの!
「ねぎ しょうが 椎茸」
 は合いますよ〜
 ううう、書き写しているだけでヨダレが。

 つい食べ物のことばかりになってしまいましたが、SF、ファンタジー、ホラーなど作風は様々。
 笑えるものが多く、切ないものもある。
 本当に「巧い」作家さんです。

 ネット上で収録作品がいくつか読めますので、
「おお、これは!」
 と思ったらぜひ買ってみてください。
 おすすめです〜

 記号を食べる
 ショートショートの主人公
 こんな山奥に
 夢のある話
posted by 柳屋文芸堂 at 22:34| 読書 | 更新情報をチェックする