2013年07月30日

村上春樹「辺境・近境」

 村上春樹というといつも長編小説が話題になるけれど、旅行記やエッセイも面白いですよ。
 特にこの「辺境・近境」は気さくな雰囲気の紀行が集められていて楽しい。
 香川でうどんを食べまくったり、無人島で虫まみれになったり、メキシコのバスで大音量のメキシコ歌謡曲を長時間聴かされ続けたり(運転手がかけるのだ)

「旅行記は、旅行にさえ行けば誰でも書ける」
 と言った友人がいた。
 確かにそうだ。でも、
「読んだ人を脳内旅行に連れていける旅行記」
 を書くのは本当に難しい。

 プロの小説家でも、旅行記になると急に下手になる人もいる。
 よくよく慎重に書かなければ「自分用の記録」になってしまうのだ。

 村上春樹の場合、小説の主人公として物語を生きるように、ちゃんと読者も一緒に旅が出来る。
 謎が残されることが多い小説より、旅行記の方が目的がはっきりしていて理解しやすいしね。

 この夏、旅行に行く方は旅の参考に。
 旅行に行かない方は、旅の代わりに。
 ぜひ読んでみてください♪

 「辺境・近境 写真篇」もあります(写真:松村映三)
posted by 柳屋文芸堂 at 01:14| 読書 | 更新情報をチェックする