2014年01月05日

「バナナは皮を食う―暮しの手帖 昭和の「食」ベストエッセイ集」感想

 昔の話ばかりだけど、現在でも十分役立つものもある。
 野上彌生子の、
「美しい料理と、栄養本位で便利な料理を時に応じて食卓に出せるようになりなさい」
 という教え(引用ではなく自分で内容をまとめました)とか。
「現実と詩のほどよい調和こそもっとも望ましい生活である」

 便利な料理とは、
「煮返せば煮返すだけ美味になるようなもの」
 しぐれ煮がそうよねー
(黄色い字は引用です)

 幸田文のおにぎりの文章はしみじみと巧い。
 石井桃子の子供の頃に食べたしゃけの頭の話は可愛らしい。

 寺田寅彦は何ヶ所かで変人エピソードが紹介されていて興味を持った。
 本人のエッセイは入ってないのに……
 「吾輩は猫である」にも出てくるもんね。
 出会ってしまったら、書かずにはいられなくなるほど個性的な人だったんだろうなぁ。

 海音寺潮五郎の、
「小栗虫太郎、中村地平の両君の無器用さにいたっては、もう人間業ではなかった」
 という文章にもウケた。

 出てくる料理の中で一番食べたくなったのは、平塚らいてうの「胡麻じるこ」
 あまり説明がないのに、妙に食欲がわく。
 作り方を知りたいです。

 この本、文庫化されると良いのにー
posted by 柳屋文芸堂 at 23:14| 読書 | 更新情報をチェックする