2014年02月03日

岡本太郎「今日の芸術」←本

 今日の芸術は、
 うまくあってはいけない。
 きれいであってはならない。
 ここちよくあってはならない。


 岡本太郎にハマっています。
 激しい絵の印象が強いと思いますが(現在30歳以上の人は「時々テレビに出てくる奇人」のイメージか……)彼の文章は冷静・明快・論理的でびっくりするほど分かりやすいです。
 この本では「芸術を味わうこと」「表現すること」について情熱的に語っています。

 まず現代美術について、

 芸術はナゾナゾではない。

 「いい」と思ったとき、その人にとって、そう思った分量だけ、わかったわけです。あなたはなにもそれ以外に、わからない分など心配することはありません。

 私はこの言葉を読んで、
「あなたは間違ってないよ」
 と言われたような気がした。

 絵は好きだけど、抽象画やシュールレアリスムは難しくて苦手、という人は多いんじゃないかな。
 何が描いてあるか分からなくても、全ての謎を解く必要なんてない。
 何か感じたらそれで良いんだ。

 岡本太郎は「芸術」と「かつて芸術だったものを模倣したもの」を区別します。
 多くの人を安心させる商業デザインなどは後者。
 心をぐらぐらさせるものが芸術だから。

 もちろん快適な生活のためにはそういうデザインも必要だけど、問題なのは、芸術の模倣なのに、芸術のような顔をして権威になっているもの。
 かつて芸術だったものの「型」だけを真似しても、それは芸術ではない。
 現実や自分を直視し、それらと対決して表現されたものだけが、人の心を動かす。

 表現欲は生命力だと岡本太郎は言う。
 誰もが身のうちに持っているもので、評価されるかどうかは無関係だ。
 その証拠に、多くの子どもが喜んで絵を描く。

 大きくなるにつれ描かなくなるのは、絵はうまくないといけない、という考えに縛られるようになるせい。
 良いとされる絵を真似するのではなく、自由に描かなければ。
 
 たとえ現在、自由に描けなくたって、それでもかまわない、というほどの自由感で、やってみなければなりません。

 そして、芸術を味わうこともまた「創造」と言える。
 感動を引き出し、精神を豊かにし、自分自身を「作る」から。
 若さは年齢のことではなく、権威を乗り越え、自らも固定せず脱皮し続けられるかどうかだ。

 ざっくりと私なりに内容を要約してみました。
 この本の魅力が少しでも伝わると良いのですが。

 芸術(美術だけでなく音楽、文学、演劇など何でも)に少しでも興味のある方なら楽しめると思います。
 岡本太郎の美術作品よりはずーっと親しみやすいはず。
 私は彼の絵と文章、どっちも大好きだけどね!

(黄色い文字の部分は本文からの引用です)
posted by 柳屋文芸堂 at 11:20| 読書 | 更新情報をチェックする