2014年02月09日

アンディ・ウォーホル展

 森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)で開催されている「アンディ・ウォーホル展」に行ってきました〜
 大雪の中……ではなく、晴れていた金曜のうちに。
 平日の割には混雑してたなー
 土日しか行けない人は大雪の間に行っておいた方が良いかも?
(交通機関が麻痺したり、道が凍って滑るかもしれないのでご注意を)

 キャンベル・スープ缶やマリリン・モンローを描いた、いかにもウォーホルらしい作品から、商業デザイナーをしていた頃のイラストや実験映画など、なかなか見る機会のないものまで、たっぷりそろっている。

 一番印象的だったのは「銀の雲」という一つの部屋をまるまる使った作品。
 でかい枕のような銀色の風船がフワフワいくつも浮いていて、無重力状態の宇宙飛行士みたいにゆっくりゆっくり室内を巡っていく。

 私以外のお客さんは風船よりも窓からの眺めに夢中で(何しろ53階。そして天気も良かった)
 上空から見た東京の街と、人のシルエットと、銀の雲が重なる。
 その奇妙さ。滑稽さ。美しさ。
「写真に撮りたい〜!!」
 撮影禁止だったのが非常に残念でした。

 「絶滅危惧種」という作品も良かったな。
 動物保護団体に寄付をするために作られたらしくて、馴染みやすく飾りやすい画面構成。
「これ絶対高く売れる!」
 と思った。

 おそらくウォーホルは、
「どんな層に、どのようにウケるか」
 を完全に予測しながら作品を制作することが出来たのではないか。

 インテリ層にはこれ。お金持ちにはこれ。大衆にはこれ。
 そういうコントロールもアートとして楽しんでいた気がする。

 ウォーホルが出演していたビデオテープのCMも見られるようになってました。
 1983年に日本のテレビで流れていたの。
 私、すごくよく覚えてるんだ。

 その頃私はまだ子ども(7歳)だったから、この人が誰なのかなんて全然知らなかった。
 でも、外国人が独特のアクセントで、
「ぐんじょういろ」
 と言うのが衝撃的だった。
 学校でも男子がふざけてモノマネしていた記憶がある。
 
 このCMの主張とも重なるけど「色彩の鮮やかさ」はウォーホル作品の大きな特徴だ。
 けれども今回の展示で私が最もうっとりしたのは、白地に黒い線で描かれたシンプルな絵だった。
 けったいなアイデアを人々に受け入れさせてしまった、迷いのない優雅なライン。

 不思議だったのは、ウォーホルは現代文化の虚しさをこれでもかこれでもかと描いているのに、ウォーホルの作品はちっとも虚しくないのだ。
 むしろ充実している。
 おそらくウォーホル自身も虚しさなど感じてなかったように思う。

 本人が何を思うかに関係なく、ウォーホルは現代の本質をつかむ方法を知っていた。
 それを表現する技術を持っていた。

 ぼくの絵に対する本能は「考えないのが正しい」というもの。
 決めたり選んだりしなければならなくなると、もう間違っているんだ。


 アメリカの美しい虚しさを知りたければ、六本木ヒルズへ。
 舞台もぴったりだね。

(黄色い字は掲示されていたウォーホルの言葉からの引用です)
posted by 柳屋文芸堂 at 00:46| 美術 | 更新情報をチェックする