2014年04月18日

徴農制

 荒川弘の「百姓貴族」3巻を読みました。
 相変わらず面白い!

 色々感想はあるけど、一番気になった「徴農制」について。
 徴兵制のように、国民(特に若者)を数年間農業に従事させ、それを義務化しよう、という話。

 これを推奨している人がラジオに出てきて「は?」って思ったことがあった。
 農家やスーパーなど、食の現場の実情を見て言ってるのだろうか。
 外国産の野菜や果物が国産よりいかに安く売られているか。

 国内農業が苦しいのは担い手不足のせいだけじゃない。
 経済構造の問題なんだ。
 GDPが増えて国家の信用が増し、自国の通貨が他国の通貨より相対的に高くなったら、運搬可能なものは通貨の安い国から輸入するようになる。

 良くも悪くもそれがこの世界の仕組みだ。
 誰も逃れられない。
 
 荒川弘は若者を受け入れたら農業の現場はどうなるか、という観点から徴農に反対している。
 当たり前だよ。
 農作物や家畜の世話で寝る間もないほど忙しいのに、農業に興味のない人たちの相手なんて出来る訳ない。

 「徴農制」を唱える人は、国民のほとんどが百姓だった時代を美しくとらえ過ぎているのではないか。
 ブランド化されて高くても売れる農作物のことしか考えてないのではないか。
 過去と現在の現実をちゃんと見て欲しい。

 今人々が手にしている自由だってずいぶん小さいのだから、もうこれ以上何かを強制しないで。
posted by 柳屋文芸堂 at 22:01| 読書 | 更新情報をチェックする