2014年06月16日

大人たちが隠していること

 小学3年生くらいの頃、性教育の本を読みあさっていた。
 世の大人たちが「何か大事なこと」を必死で隠しているのにはかなり早くから気付いていた。
 私は不明なものをそのままに出来ないタチだ。
 どうにか核心に近付こうと、図書館に通った。
(行動パターンが今と全く変わらない……)

 大人たちが隠しているのは「性」というものに関係する物事らしい。
 私は子供向けの本の棚にあった、女の子向けの性教育の本を読んだ。

 女性の体には卵巣というものがあり、ここで卵子が作られます。
 卵子と、男性の体で作られる精子が結びつき、受精卵というものになります。
 受精卵は子宮で赤ちゃんに育ちます。
 受精が行われなくても子宮は赤ちゃんを育てる準備をしているので、毎月ベッドがはがれ落ち、月経というものが始まります……

 ふむふむ。
 私は理科好き少女でもあったので、女性の体の構造を知るのは面白かった。
 ただ、これは大人が隠している「真ん中」じゃない。
 私は図書館の司書のお姉さんの所へ行き、自分の読んでいた本を見せた。

「これの『男の子向け』はどこにありますか?」

 お姉さんは少々気圧されつつも、ちゃんと目的の本を見つけてくれた。
 男性の体には睾丸というものがあり……
 まあ月経が精通に変わるくらいで、結局のところ、書いてあるのは「体の仕組み」だ。
 これもやっぱり「真ん中」じゃない。

 あまり覚えてないのだけど、子供向けの性教育の本で性交はどのように説明されていたのだろうか。
 時代によっても変わるだろうが、私が子どもの頃はあまりはっきり書いてなかった気がする。
 たとえ体位のことまで事細かに説明されていたとしても、やはり私は納得しなかっただろう。

 私が一番知りたかったのは「男と女を性交までたどり着かせる力」だ。
 「女の子向け」と「男の子向け」の間の空間を、一体何が埋めるのか。

 その力は時に愛と呼ばれたり、性欲と呼ばれたりする。
 大人たちは「完全に理解した上で内緒にしている」のかと思っていた。
 でも本当にそうだったのだろうか。
 我々は大人になり、その力の本質を知っただろうか?
posted by 柳屋文芸堂 at 00:14| 思い出 | 更新情報をチェックする