2012年、大阪市で開校。日雇い労働者の町としての歴史をもち、今も多くの元日雇いの高齢者が暮らす大阪市西成区の釜ヶ崎と呼ばれる地域を拠点に、あらゆる人を対象として哲学、書道、詩、芸術、天文学等の多彩なテーマによる講義やワークショップを行っている。本展では、成果発表展示のほか、オープンキャンパスとして出張講義や公演等を行う予定。
(公式サイトよりそのまま引用)
展示は「密度の濃い文化祭」みたいな感じでした。
おっちゃんの悔恨の詩があったり……
釜ヶ崎芸術大学「それは、わしが飯を食うことより大事か?」(一部分)
※文字を読みやすくするためにモノクロに変換してあります。
看板が置いてあったり……
釜ヶ崎芸術大学「それは、わしが飯を食うことより大事か?」(一部分)
カマメというのは「カマン!メディアセンター」の略で、釜ヶ崎芸術大学の活動場所の一つのようです。
「酔っていない時に、又、来て下さい」
ってそんなに酔ったまま来ちゃう人が多いのか。
詩の学校のチラシも貼ってあって、
「参加費1000円」
の下に、
「経済的にしんどい方は無料でけっこうです」
と書いてあって泣かせる。
哲学の会を主催している方のレポート(これも貼ってある)も興味深かった。
元日雇い労働者のおっちゃんたちは、暮らしに困っている。
しかし「暮らしに困っている=お金に困っている」ではないのだ。
お金だけではなくて、家族を失っていたり、生きがいを失っていたり、心穏やかに暮らすために必要な、あらゆるものが足りてない。
日本の高度成長期を支え、その後切り捨てられた人々。
芸術や哲学が、彼らの心を完全に満たすことはないだろう。
でもそれは、一人一人が持つ空虚をつなぐ糸になる。
空虚はたくさんつながると、空虚ではない別の何かに変化してゆく。
空虚はおっちゃんたちの心だけでなく、誰の心にもあるはず。
涙ぐんだり、微笑んだりしながら、私はこの釜ヶ崎芸術大学の展示スペースで長い時間を過ごした。
釜ヶ崎芸術大学「それは、わしが飯を食うことより大事か?」(一部分)
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