2014年08月29日

ヨコハマトリエンナーレ2014(土田ヒロミ)

 原爆被害者たちのその後を追った写真作品。

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土田ヒロミ「ヒロシマ1945-1979 / 2005」より(一部)

 1970年代に撮影した写真と、2005年に撮影した写真が並んでいる。
 写真の下には子どもの頃の原爆体験の作文と、2005年の状況や気持ちが書かれている。

 原爆の悲惨さより、それでも続いてゆく日常の方が強く浮かび上がる作品だった。
 上の写真は本当に微笑ましくて、かなり長い時間眺めていた。
 二人で商売をし、二人で歳を重ねる幸せ。

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土田ヒロミ「ヒロシマ1945-1979 / 2005」より(一部)

 写真の下には、
「かろうじて生き残った私たちの使命は、亡くなられた多くの方々の分も生き続けなければならないのだと考えています」
 という言葉。
 全力で人生を楽しみ、心と身体を大切にしているのが両方の写真から伝わってくる。

 人だけではなく、1979年・1993年・2009年に撮影した広島の木の写真もあった。
 ブロッコリー型の普通の木が、でかくなり、葉が増えてもっさもさになる。

 つい人は「大事件のあった一点」だけに注目し、それ以外を忘れてしまう。
 しかし人生は次々に変化していく「線」であり、そちらの方が断然大きいのだ。

 彼らの昨日やおとといが、私の明日やあさってを指し示す。
 力付けられる展示だった。 

※こちらに載せたのは写真を撮影した写真です。歪みやてかりが入ってしまっています。お許しを。

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posted by 柳屋文芸堂 at 23:01| 美術 | 更新情報をチェックする