2014年09月10日

歌川たいじ「僕は猫好きじゃない」感想

 実を言うと、私も猫好きじゃない。
 でも何故か私の周りは猫好きだらけだ。

 この本は、猫が好きという訳でもないのに、
「ネコなしで生きられないっ」
 と言うほどの「猫バカ」の恋人のために、猫と暮らすことになってしまった人のエッセイ漫画です。

 そういう立ち位置なので、猫好きが描いた猫漫画よりクール。
 猫や、熱狂的な猫好きたちと接する時に感じる戸惑いが多く描かれている。
 困ったり、不思議な気持ちになったりしながら、様々なことを学んでゆく。

 私が一番ウッとやられたのは、鬼畜な友人キミツが愛猫を失って、

「ありふれたたんぽぽみたいな悲しみがいちばんつらいんだと思う」

 と言う場面。
 失恋するとか、身近な何かを失うとか、誰にでもいつでも起こり得るよくある話で、でもだから悲しみが減るかというと全然そんなことない。
 ずっと感じていたことを言葉にしてもらった気がした。

 うたちゃんは猫好きではないけれど、
「『猫好き』好き」
 なのではないか。

 「好きになる」というのはある意味で、相手に全面降伏してしまうことだ。
 猫を溺愛するあまり自分の弱いところを全てさらけ出してしまう、強さや激しさ。
 そこに自分を重ね、「猫」ではなく「猫好き」の虜になる。

 私の周りに猫好きが多いのも、そういうことなのかも、と思った。

 自費出版本で、こちらから購入することが出来ます。
 猫が持つ特別な力を感じたことのある人は、ぜひどうぞ。
posted by 柳屋文芸堂 at 01:27| 読書 | 更新情報をチェックする