2014年11月25日

木馬亭

 下の記事の「邦楽夜会」の会場は、浅草の「木馬亭」という小さな劇場でした。
 正確には「浪曲の定席」で、定席は「常設の寄席」で、寄席は「大衆芸能を興行する演芸場」
 つまり「主に浪曲が上演される演芸場」と言えば一番分かりやすいかな?
 浪曲を知らない人は、NHK-FMで毎週木曜、午前11時20分〜11時50分に放送されている「浪曲十八番」という番組を聞いてみよう。

 で、この木馬亭。
 ものすごい場所だった。
 まず舞台の上と左右の壁の上に赤いちょうちんがズラーッと並んでいる。

 まあ劇場ではなく寄席、と考えればこれは普通かもしれない。
 それより驚いたのが、客席の照明。
 蛍光灯なんだよ! 昔からある長いやつ。
 特に隠すようなカバーもなく、ででーんと。
 こ、公民館かっ

 そして舞台で何もやっていない開演前・開演後の時間に、謎の音楽が流れ続ける。
 古い日本の歌謡曲なんだけど、時代とジャンルを判定出来なかった。
 戦前の流行歌……?

 あまりにも濃厚な昭和の雰囲気に、落ち着いて座っていられません。
 無意味にキョロキョロしちゃう。

 調べてみたらここ、江戸川乱歩の短編小説「木馬は廻る」に出てくるメリーゴーランドがあった場所なのね!
 作中で描かれる貧しく甘く切ない空気、ちゃんと残ってましたよ。
 戦争ですっかり消えてしまったものと思っていたから、嬉しかった。

 木馬亭があるのは浅草寺の横の道(奥山おまいりまち商店街。紹介サイトはこちら)で、もっと観光地化されてもおかしくないのに、「ディープな浅草」がほどよく保存されている。
 浅草に来る機会があれば、ぜひ行ってみてください。

 ちなみに「木馬は廻る」は光文社文庫の江戸川乱歩全集第3巻「陰獣」に入ってます。
 こちらもおすすめ。
posted by 柳屋文芸堂 at 00:31| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする