2014年12月28日

魔女と錬金術師

 同じ理系でも、物理学科出身と薬学部出身ではずいぶん雰囲気が違う。
 薬局で働いていたことがあるので、薬剤師の知り合いが何人かいるのだけど、みな現実的で常識的な人ばかりだった。

「大学では資格を取ろう」
 と堅実に生きていくための決意をした人と、
「大学では真理を追究しよう」
 とあやふやなものに向かって突っ走ってしまった人の差である(私は物理学科出身)

 そんな真面目な薬剤師さんの一人から、プラシーボ効果というものを教えてもらった。
 薬としての成分が含まれていないニセの薬でも、
「〇〇に効きますよ(例:痛み、不眠)」
 と言って処方すると、症状が改善することがある、という話。

 おそらく彼女は、プラシーボ効果で治った患者さんを実際に見たことがあったのだろう。
「本当に効くんだよ!」
 と、茶目っ気たっぷりの笑顔で言った。

 その様子を見て、
「薬剤師というのは一見まともそうだけれども、やはり魔女の末裔なのだな」
 と思った。
 暗示で病気を治しちゃうなんて、ほとんど魔法じゃないか。

 そう言えば大学時代、一般教養で法律を教えていた先生に、
「あなたたちは時代が時代なら錬金術師です」
 と言われたのを思い出す。
「社会とは相容れない変人です」
 とも(その点は昔と変わってない)
posted by 柳屋文芸堂 at 01:38| 思い出 | 更新情報をチェックする