2015年01月03日

ラヴクラフト講演会

 ラヴクラフトが近所の公園で講演会をするという。
 特設会場にはパイプ椅子が並べられ、大勢の人が集まっている。
 町内会のおじさんが運動会の時などに使う白いテントの下で受付をしている。

「本当にラヴクラフトが来るんですよ!」
 おじさんは目を輝かせ、興奮した声で言う。

 ラヴクラフトはアメリカの怪奇小説家だ。
 直接話を聞けるなんて信じられない。
 Dちゃんと一緒に椅子に座って講演が始まるのを待った。

 やって来たラヴクラフトは、日本人の女性だった。
 ラヴクラフトの関係者かと思ったらそうではなく、ラヴクラフトを名乗っている。
 贋ラヴクラフトだ。

 たとえニセモノでも何か面白い話が聞けるなら良いやと思ったが、ありきたりで薄っぺらいことばかり言っている。
 こんな人のためにDちゃんを連れてきてしまったことを激しく後悔した。

 講演の後、贋ラヴクラフトの女性は会場を回り、1人100円ずつ徴収している。
 私の所にも来たので40円渡すと、贋ラヴクラフトは不満そうに私を見たが、
「40円分の満足感しか得られなかったので」
 とキツく言うと、納得して去っていった。
posted by 柳屋文芸堂 at 23:35| 夢(寝ながら見る方) | 更新情報をチェックする