2015年02月02日

「物が沢山あって豊か」という考えが「どのように」間違っているか

 60歳より上の人が、
「今の世の中は、昔よりずっと豊かになった」
 と発言するのを読んだり聞いたりするたび、違和感を覚える。

 戦後の焼け野原の写真と現在の街をくらべれば、確かにビルは林立しているし、店に入れば大量の商品が並んでいる。
 けれども、
「今の世の中は暮らしにくい。豊かってこういうことなのかな?」
 と疑問に感じている人も少なくないのではないか。

 当たり前の話だけれども、建物を建てるにはお金が必要だ。
 商品を仕入れるにも。
 つまり「建物や物が沢山ある」ということは「そのための支払いが増えている」

 即座に払えれば良いけれど、「融資を受けて建てる・作る・買う」というのが当然のこととして行われるので、建物や物が増えるたび「借金も増えている」

 今の日本を家庭にたとえるなら、
「おじいさんが借金して買った家に、おばあさんが借金して買った洋服が大量に積まれていて、返済する宛がない」
 という状態なのではないか。

 孫たちは、それをどう感じるか?
 必要でもなければ欲しくもない物が大量にあって、借金まで残し、
「どうだ、豊かだろう」
 というのはどう考えてもおかしい。

 個人の借金なら相続放棄することも可能だ。
 企業や自治体や国の場合、借金は下の世代が強制的に受け継がされる。
 具体的に借金という形になっていなくても、正社員ではなくアルバイトを雇ったり、労働者の数を減らし一人一人の労働時間を増やしたりして、経費削減する。
 税金や社会保険料が上げられる。

 60歳より上の人には、どうもそういうしわ寄せが見えないらしい。
 世の中にある「建物・物」の支払いは全て済んでいると勘違いしている。
 もちろん子どもが過労死させられたりすれば気付くだろうけど、世代の違う人間と接する機会は少なくなりがちだから、20代〜40代くらいの人たちが負わされているものなんて、遠くて関係ないのだ。

 支払いは、買った人たちにしてもらうべきだ。
 若者の負担を減らす方向に社会を動かさなければ。
 年金を減らすのはさすがに可哀想なので、消費税を減らして相続税を増やすとか。

 未来に見えるのは、空っぽのビルだらけの豊かな街。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:16| 社会 | 更新情報をチェックする