この際だから村上春樹への愛を存分に語ってしまおう。
まず、体を鍛え、精神を整え、常に新たなテーマや表現方法に挑戦し、三十年以上、力強い作品を発表し続けているところを尊敬している。
私も見習って毎日ヨガをやってます。
マラソンにくらべたらささやかだけど、何もしないより断然、体調が良いよ!
あと、対談集などで創作について語ってくれるのがありがたい。
小説を書く時によく思い出します。
たとえ劣化コピーになってしまっても、まずは書きたいことを書けるようになりたいから。
そして何より感謝しているのが「エッセイ」!!
二十代の後半、精神的にキツい時期が二度ほどあった。
心がどよーんとして、悩みから目をそらしたくても小説を書くことは出来ず、読むことも苦しかった。
そんな時、唯一楽しめたのが、村上春樹のエッセイだったのです。
くすっと笑える部分がいっぱいあり、時々真剣で、でも重過ぎず、弱った心でも消化しやすい言葉。
これを命綱にして、どうにか苦しい日々を渡っていった。
少しずつ回復し、小説も読めるようになって、「海辺のカフカ」の大島さんが…だと判明した瞬間(ネタバレになるので伏せる)
「あ、私もう大丈夫かも」
と、危ない場所から脱出したような気持ちになったのを、よく覚えている。
村上春樹やそのファンに対して悪口を言いたがる人が妙に多いのだけど、そういうのを聞くたび、
「じゃああなた、あの人みたいに私のことを救えるの?」
と詰め寄りたくなる。
誰にも出来ないことが出来る作家だし、明らかに教祖っぽいよな、と思う。
嫌悪する人は、胡散臭い新興宗教みたいに感じるのかな。
深く沈み込んだ精神を浮上させてくれるものなんて、世の中にそれほど沢山ないのだから、しょうがないじゃないか。
導師は信者のことを「ハルキスト」ではなく「村上主義者」と呼ぶようにおっしゃってます……(これ)
2015年02月04日
村上春樹への愛を語る
posted by 柳屋文芸堂 at 00:40| 読書
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