2015年02月04日

スゥさんの思い出

※パキスタン人がみなこういう考えとは思わないでください。
 あくまで個人的な体験談です。

 母と一緒に働いていたパキスタン人のスゥさん(←あだ名)は、アメリカが大嫌いだった。
 たまたま手にしたボールペンにデザインとして星条旗が印刷されているのに気づき、それを投げ捨てるほど。

 スゥさんはある時、
「柳田さんは広島に行ったことがあるか」
 と母に尋ねた。
 バイト暮らしで経済的に楽ではなかったはずなのに、スゥさんはわざわざ埼玉から広島まで行き、原爆のことを勉強してきたのだ。

「行ったことない」
「行かなきゃダメだ! アメリカにこんな酷いことされたって、もっと憎まなきゃダメだ!」

 スゥさん。
 あなたの目の前にいるおばあさんは、9歳の時、アメリカ軍が落とした爆弾で家を焼け出されました。
 それでも爆弾と戦争だけを憎んで、アメリカ人を憎んだことは一度もありませんでした。

「スゥさんも、日本語が完璧に分かる訳じゃないし。
 言葉がちゃんと通じれば、もっと色々話せたんだけど」
 
posted by 柳屋文芸堂 at 16:27| 思い出 | 更新情報をチェックする