※パキスタン人がみなこういう考えとは思わないでください。
あくまで個人的な体験談です。
母と一緒に働いていたパキスタン人のスゥさん(←あだ名)は、アメリカが大嫌いだった。
たまたま手にしたボールペンにデザインとして星条旗が印刷されているのに気づき、それを投げ捨てるほど。
スゥさんはある時、
「柳田さんは広島に行ったことがあるか」
と母に尋ねた。
バイト暮らしで経済的に楽ではなかったはずなのに、スゥさんはわざわざ埼玉から広島まで行き、原爆のことを勉強してきたのだ。
「行ったことない」
「行かなきゃダメだ! アメリカにこんな酷いことされたって、もっと憎まなきゃダメだ!」
スゥさん。
あなたの目の前にいるおばあさんは、9歳の時、アメリカ軍が落とした爆弾で家を焼け出されました。
それでも爆弾と戦争だけを憎んで、アメリカ人を憎んだことは一度もありませんでした。
「スゥさんも、日本語が完璧に分かる訳じゃないし。
言葉がちゃんと通じれば、もっと色々話せたんだけど」