2015年06月15日

クレアクラスコンサート

 毎年恒例、友人が出演している「クレアクラスコンサート」に行って来ました。
 山田隆広さんというピアニストの方が主宰している音楽教室の発表会。

 私が見たのは出演者49人のうち最後の7人だけだったのですが、難曲ばかりなのに譜面を追うだけになっていないのがすごいな〜 と思った。
 優しさや輝きなど、音ではないものが音の力によって伝わってくるのです。
 ピアノの上にふわっと立ちのぼる感じ。

 「譜面を追うだけの演奏」というのは、機械が自動的に文章を読み上げる時の音声を思い出してみると分かりやすいと思う(荷物の再配達の日時の確認とか)
 音量も音程も変えず平坦に、
「マー君あたしのこと好きって言ったじゃん」
 を読むのと、
ー君たしのこときってったじゃん!」
 と大文字のところにアクセントを付けて読むのでは、そこに表れる感情が全く違う。
(マー君を責め立てる女の子が見えるかな?)

 上手い演奏というのは、上手い演技に似ているのかもしれない。
 棒読みでは感情が伝わらないし、音の工夫が大袈裟だとクサい芝居みたいになり、見て(聴いて)いられない。
 今日聴いた演奏はどれも、演技が自然で心地好かった。

 友人が弾いたのはサン・サーンスの「アレグロアパッショナート」
 叙情的なメロディと挑戦的な音の試みが混ざった美しい曲。
 複雑なのに無邪気なところもあって、聴きながらパウル・クレーの絵を思い浮かべていた。

 彼女はトロンボーンも吹くのだけど、今日の演奏中も何度か息つぎして、そのたび、
「ピアノは管楽器じゃねーよ!」
 と心の中でツッコミを入れた。
 だって「スッ」って息吸う音が客席にまで響くんだもの。
 押すだけで鳴るのよ、その楽器……

 私は知り合った高校の頃から彼女のファンだ。
 一人の女性の人生と、ピアノの音の変化を見続けられるのは本当に貴重で、素敵なことだと感謝している。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:05| 音楽 | 更新情報をチェックする