2015年07月18日

魔女カレー

 魔女のカレーが大評判だ。

 客の好みと体調に合わせてスパイスを調合して作ってくれる。
 美味しい上に体にも良い。

 けれども若い男は怖がって誰も行かない。
 魔女は気に入った男のカレーに惚れ薬を入れ、一生しもべにするというのだ。

 引き止める友人を振りきって、僕はカレー屋にやってきた。

 魔女は八百年生きているらしいが、見た目はずっと十八歳だ。
 猫そっくりのつり目が可愛い。

 彼女は僕を見ると幸福そうに目を細め、棚から小さな瓶を取り出し、その粉をカレーにさらさら振りかけた。

 立ち昇る湯気をかぐだけで汗が出るような辛い香り。
 ぎゅうと鳴る僕のお腹。
 魔女はこちらを見つめて頬を赤らめる。

 ご飯とカレーを載せたスプーンを、僕は……
 
posted by 柳屋文芸堂 at 16:50| ショートストーリー | 更新情報をチェックする