2015年07月29日

タラちゃんとイクラちゃん

 子供の頃、アニメ「サザエさん」に出てくるタラちゃんが嫌いだった。
 聞き分けが良くて、
「こんなの大人の妄想の中の子供だよ。ケッ」
 と(「妄想」なんて言葉は知らなかっただろうが、概念としてこんなようなことを)思っていた。

 その点、イクラは良い。
 「チャーン」「ハーイ」「バブー」で会話してしまうところが妙だが(幼児が自分の意思を大人に理解してもらうのはそれほど簡単ではない)基本的に自分のわがままを押し通すので、ある程度、合格。

 しかし大人になってみて思うに、
「イクラちゃんの描き方はリアルで、タラちゃんはリアルでない」
 という訳ではなく、単に、
「私がイクラちゃんみたいな子供だった」
 というだけの話ではないか。

 もしかしたら、タラちゃんみたいな苦労性の子供もいるのかもしれない。
 自分が違うタイプなので、全く想像出来ないのだけれども。

 生後半年の私に、現在(38歳)の言語能力を与えたい。
 自分の気持ちを言葉にして伝えられないのは、恐ろしく不愉快だ。
 自分と世界の間に膜があって、その膜の中に閉じ込められているような気持ち。
 そりゃあ、泣きわめいて暴れるほかないよ。

 ここまで来るまで本当に辛かった。
 実は今でも辛い。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:43| 映画・映像 | 更新情報をチェックする