2015年08月24日

柳田のり子を讃えるうた

生前は無名のまま過ごし
死後も永遠に無名だった

無名、とは言え
彼女には「のり子」という名前があった

それはあまりにも平凡過ぎ
小学校の通学班では十人のうち三人が
「のりこ」で
混乱を来すほどだったが

彼女が生涯愛した男は
朝な夕な数限りなく
のり、と
甘やかに呼び続け

それはまるで
世界に一つしかない鈴の音のように
美しく響いた

有名になれ!
名を轟かせよ
無名なものに価値などない
という
世間の合唱

耳を澄まして
どうか聞き取って欲しい

世界中で
美しい鈴が鳴り響いていることを
 
posted by 柳屋文芸堂 at 01:50| 自分 | 更新情報をチェックする