2015年09月26日

○○○のスープ

「帰ってくる途中、虫がぶつかってきてさ」
 とDちゃんが言う。
 私は夕飯の準備をしながら、
「そりゃ災難だったね」
 と返した、ら。

 何かが飛んできて、後頭部にとまった気配。

「ちょっと、その虫、連れて来ちゃったんじゃないの?! 私の頭見て!!」
「うわぁぁぁ!」

 Dちゃんはティッシュ箱で後頭部の「何か」を突いている。
「ねえ、これ何なの? 何なのーっ?!」

 Dちゃんが答えるより先に、その何かは後頭部を飛び立ち、台所の扉にとまった。
 見に行くと、
「わっ、すごい立派」

 それは大きなバッタ?だった。
 虫に詳しくないので正確な種類は分からないが、鮮やかな黄緑色で、長い後ろ足がある。

「サヤエンドウにそっくりだねぇ!」
「僕はのりがオクラのイヤリングをしてるのかと思ったよ」
「自分で連れてきておいて……」
 Dちゃんはみその空き箱を使ってその虫を捕まえ、外に逃がしてくれた。

 ようやく落ち着いて、夕飯。
「今日は、バッタのスープ!」
「思っても言わないようにしたのに……」

 折り悪く、その日のスープには鮮やかな黄緑色のスナップエンドウが入っていたのだった。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 21:35| 自然 | 更新情報をチェックする