2015年09月29日

海原雄山の妻

「サラダに使うオリーブオイルを、シチリア産からギリシャ産に変えただけで、
『あ、いつもと違うね』
 とダンナに言われる」

 という話を友人たちにしたら、
「あり得ない!!」
 と驚かれた。

 世間の多くのダンナさんたちはそんなに食べ物にうるさくないらしい。
 Dちゃんとしか結婚したことがないからよく分からないけど。

 確か、漫画「美味しんぼ」に出てくる海原雄山の奥さんは、
「雄山が味にうるさいあまり、その心労で早死にした」
 という設定だったはず。

 それくらいで死んじゃうの?
 と子供の頃は不思議で、大袈裟な漫画的表現なのかと思っていた。

 自分がなってみて分かった。
 美食家の妻は大変です。

 私が一番「ヒーッ」となるのは、調理の手順をちょこっと抜いた時。
 たとえば梅干しを刻む時間がないから、チューブ入りの梅肉を使うとか。
 じゃがいもを皮付きのまま茹でて、その後皮をむくのは熱くて大変だからと、皮をむいてから茹でたりとか。

 出来上がる料理の見た目はいつも通りだし、食べられない味になったりはしない。
 しかし即座に、
「いつもと違うね」
 である。

 まあ、ちゃぶ台ひっくり返されたりする訳じゃないから良いんだけどさ。
(ちゃぶ台無いし……)

 その分、丁寧に手間かけて作ると、
「今日の料理は美味しいね」
 と言ってくれて、やり甲斐があるとも言えるのだけれども。

 何を食べさせても反応が一緒、という夫の妻の家事と、美食家の妻の家事を同じものとは思わないで欲しい、とは時々思う。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:08| 料理・食べ物 | 更新情報をチェックする