他の形式に変換された時に「何が失われるか」を確認すると、小説の利点が浮き彫りになる。
小説「屍者の帝国」の一番の魅力である「円城塔の奥ゆかしい愛情」は、映画版で完全に別のものに置き換わっていたからね……
小説は、人柄や愛情の微妙な部分を、事細かに伝えるのに向いているのかもしれない。
映画では「セリフ」「さりげない仕草」「表情」くらいしか使えず、時間にも制限がある。
ところが小説では、セリフと描写にほぼ無限の言葉を尽くせるし、エピソードも入れ放題。
すごいな!
映画と原作を見比べたことで、小説への愛情が増した気がする。
映画がダメというのではなく、それぞれ得意分野が違うということ。
小説の可能性は大きい。
小説の利点をしっかり活かしている人たちの文章から学び取って、私もそこで存分に楽しみたい。